はじめに

別れた挙げ句に…

見ないふりをしてきた彼への不信感が明るみに出た瞬間でした。彼女は悩んだあげく、結婚はしないと決めました。彼にそう告げると、意外にも彼は「そうなんだ、わかった」とすぐに了承したのです。

「その1ヶ月後でした。過去2年間の請求書が来たのは。私に奢った飲食代、プレゼント代、あげくドライブに行ったときのガソリン代まで。総額200万円くらいになっていました」

驚くと同時に情けなくなったと彼女は言います。そんな男を選んでしまった自分に対して。

「結局、知り合いの弁護士に相談、弁護士から手紙を送ってもらいました。頭に来るし悲しいしで、裁判も辞さないと思っていたけど、最終的には30万円を私が支払うことに。婚約不履行ということですね。手元にプレゼントされたバッグや指輪は残りましたが、使う気にはなれません」

彼との間には楽しい思い出もありました。彼の言葉をすんなり受け止められれば、結婚して今ごろは専業主婦になっていたかもしれません。それはそれなりに幸せだったかもしれない。ミナミさんはそう思うこともあるそうです。

「ただ、結婚後も女のくせにって言われたら、やはりカチンときますよね。長い年月を彼とともに歩むのは無理だったんだ。そう思うしかないんです」

客観的には彼女の行動は正解だったように思われますが、彼女の口調はどこか未練と後悔に満ちていました。

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