はじめに
どんな人に適した商品なのか
さて、問題はお値段です。各社ほぼ横並びで、安いものでも2,000円前後します。しょっちゅうモノを探している人は、何か1つだけなくすのではなく、いろいろなモノをなくしますから、何個も付けたいと思うと数千~1万円を超える投資になります。
定額課金ではないので、本体の購入代金以上のお金はかかりません。ただ一方で、しょっちゅう探し物をしている人でも、これだけの投資をする気になるのかどうかです。
自転車のサドルに貼り付けられるタイプも
むしろ効果を発揮しそうなのは、普段高価なモノを持ち歩いている人の場合。たとえば、楽器やゴルフクラブのセットです。
どちらも中古市場が成立しているので、盗まれて転売されてしまったら、取り返すことはまず不可能。ですが、目立たないところにこのタグを付けておくと、ある程度追いかけることができます。守るものが高額だと、数千円の投資も抵抗がなくなるはずです。
認知症の人や子供に持たせる目的であれば、数千円の投資に抵抗を感じる人はさらに減るのではないでしょうか。
類似商品に比べて優位性は?
以前この欄で紹介した、地図会社が開発したQRコードのサービスは、見つけた人にQRコードを読み取ってスマホを操作してもらうという、アクションを起こしてもらう必要がありました。
昭文社が売り出した「おかえりQR」
しかし、忘れ物防止タグは誰かにアクションを起こしてもらうことなく、通信が切れた場所を知ることができます。「みんなで探す機能」は、とにかく普及しないことにはワークしなさそうですが、普及すれば用途は一気に広がるでしょう。
認知度が上がらなければ普及もしません。スマホユーザーを対象にしているので、宣伝はもっぱらSNS。知っている人はすでに知っているのでしょうから、ここから先はSNSでは届かない人たちへのアプローチが必要かもしれません。
楽器店やゴルフショップ、あるいは自転車やバイクの販売店、もしくは老人医療機関の協力を仰ぐなど、メーカー側が既成概念を越えたアクションを起こす必要があるのではないでしょうか。