はじめに

エンジンはV型8気筒

さて、早速運転席のドアを開け乗り込んで、ドアを閉めました。バフッという何とも重々しい音とともにドアは閉まります。でも力はいりません。例え半ドア状態でもオートクローザーが付いているため、自動で自然にドアはピシッと締まるのです。もちろんこの装備も前ドアに付いているわけです。

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次にエンジンスタートボタンを押すとV型12気筒が静々と、といいたいところなのですが今回のモデルから最高出力381ps、最大トルク510Nmを発生する5リッターV型8気筒エンジンと224psの電動モーター、そしてニッケル水素バッテリーを組み合わせたハイブリッド・システムが目覚めます。先代モデルが搭載していた国産唯一の量産のV型12気筒ガソリンエンジンは姿を消しました。時代といえば時代で燃費も良く、環境面にも配慮した結果ですから、もちろん納得です。

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スクエアでスッキリとしたボディは見切りが良い車両感覚は、運転手にとっても有り難い。

そしてなによりも静かです。振動もほとんど感じません。そこでアクセルを踏み込むと“まさに音もなく”スルスルっと動き出します。静々とゆったりと巨体が徐々に加速して行きますが、風切り音ひとつ聞こえないといいましょうか、正直気持ち悪いほどの静寂ですが、こんな空間で音楽が聴けたら、なかなかの臨場感を味わえそうです。

十分にパワフルだが力強さの表現が乱暴ではない

静寂をより際立たせているのがステアリングもブレーキタッチもウインカーの操作感もすべてがソフト。なにをやってもどこを触ってもふんわりした印象で統一されています。

そんなソフトな動きすら聞こえてきそうな静けさは、さすがVIPを招き入れるだけのクルマと言えるのです。実は走行中のこもり音を低減するという「アクティブノイズコントロール機能」が装備され、一役買っているのです。

これはノイズと逆相違の音を発生させ、気になることで、そのノイズを打ち消すという優れもの。こうして一切のストレスを出来る限り減らし、静寂さえもVIPが好き勝手に使って欲しいという思いやりが、全身に溢れているのです。

ハンドルを握っている自分もまったく飛ばす気分になどならず、本当にやんわりと、そしていつもフラットな感覚を楽しみながらスルスルッと走るのです。後輪駆動のおかげで、前輪の仕事は向きを変えるだけです。タイヤは力を伝える必要がないので仕事量が減った分だけ仕事量にゆとりが生まれます。これがステアリングの柔らかな感触に繋がるのだと改めて確認できました。

煽られても平気ですし、もちろんこっちも煽ってやろうなんて気になりません。どうぞ割り込んで下さい。どうぞ追い抜いていって下さい。こんな気分になれるので、短気な人の精神鍛錬にはいいかもしれません。

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