はじめに

収入よりも「ゆるさ」

ですが、それでもなお、タイで現地採用にチャレンジしようという人が増えています。最大の魅力はやはり「そこが日本ではないこと」でしょう。

働く会社は日本企業でも、流れる空気はゆるい東南アジアなのです。サービス残業もパワハラもない(たまに聞きますが日本よりは圧倒的に少ない)。同調圧力のない、好き勝手に生きられる社会。タイ人たちのつくりだす、「細かいことは気にしなくてもいい」という雰囲気が、そこには満ち満ちています。

日本で「社蓄」としてコキ使われ、激務に疲れ果てていたけれど、タイに来てやっと人として生きられる場を見つけた……そんな人もけっこういるのです。給料は日本にいたときよりだいぶ下がったけれど、毎日とりあえず楽しく過ごせている。現地採用者のかなりの部分がそんなことを言います。

そしてうまくステップアップし、さらにいい待遇を得ていく現地採用者もまた増えています。10万バーツ(約35万円)の給料を得ている人、日本基準の給料に切り替わった人、現地法人の社長に抜擢された人……。がんばり次第ではどんどん職場を移り変わり、登っていける流動性がタイにはあります。

3日本で耐え難いストレスに苦しんでいるならアジアで現地採用という選択肢もありかもしれない

日本のようなギスギス感がない、おおらかで明るい楽園か。日本社会に適応できない人の逃げ場所なのか。どちらに映るかは、本人の心の持ちようかもしれません。そんな現地採用について、次回からさらに詳しく解説していきます。

※1バーツ=3.5円として計算。

この記事の感想を教えてください。