はじめに

1千万円のオーバーでも納得の仕上がり!?

アルピナXD3ビターボ。ビターボ、つまり大小2基のシーケンシャルツインターボを装備する3.0リットル直6ディーゼルターボ・エンジンは、最高出力が245kW(333ps)で最大トルクは700Nmを発生します。実はこの試乗の前にライバルと言われるBMW X3のMシリーズ、「M40d」にも乗っているのですが、そちらの強力なディーゼルエンジンは最高出力が240kW(326ps)、最大トルクが680Nmとなっています。スペック的にはアルピナXD3ビターボの方が少しだけパワフルです。

ところが実際に走ってみるとBMW M40dよりもパワフルであるはずのアルピナXD3ビターボの方が、幾分パワーの出方がマイルドで紳士的で控えめな印象を受けました。

その傾向は特に高速走行で強く現れます。ガチガチのスポーツモデルという感じもなく、ゴツゴツとした堅さをあまり感じる事もほとんど無く、サスペンションのたっぷりとしたストローク感を体感しながら、なんとも平和なフラット感を伴って、アルピナはゆったりと走ります。

ところがひとたび追い越し車線に入り、そこからアクセルを一気に踏み込めば何とも強烈な、怒濤のごとくの加速を見せてくれます。カタログデータの0~100km/hを4.9秒、0~200km/hを21.9秒と言う加速力は決して伊達ではないと痛感する瞬間です。もちろん最高速254km/hという俊足ぶりを一般道で試すことは出来ませんが、車重2トンオーバーのクルマの走りとは思えないほど、軽々としていることはよく分かります。

この軽々とした走りはコーナリングでも楽しめます。アイポイントの高いSUVではありますが、左右に傾くロールがちょうどいい具合に制御されているため、大きく左右に揺れることなく、気持ちよくワインディングを走り抜けます。もちろん四六時中、スポーティな走りをすることなどないでしょうが、イザとなればここまで出来るという、ドライバーの心のゆとりになる事は確実です。

これで11,150,000円也! 支払い能力さえあれば、その価値は十分にあると思います。

エンジンにも厳選されたパーツを組み込みアルピナならではの仕上げとなる。

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