はじめに

面で見せるカッコ良さとは?

まずマツダには“魂動(こどう)デザイン”というコンセプトがあり、2010年からその哲学のもとに新型車をデザインしてきました。その根幹にある考え方は「生命感あふれるダイナミックなデザインでクルマを創造する」とか「日本の美意識を体現し、マツダらしいエレガンスを追求する」とか抽象的な言葉が並んでいたので、今ひとつピンときませんでした。

そんな中でもっとも理解しやすかったのは「チーターが獲物を狙って力を溜め、飛びかかる一瞬の動き」と言うように「魂動デザインの定義」を分かりやすく説明してくれたことでした。ここから現在、デザイン面でも高い評価を得ているすべてのマツダ車が始まったことになります。

そして昨年11月、ロサンゼルスモーターショーで日本名アクセラ、世界的にはマツダ3ですが、その後継モデルとして世界初公開されたときに、ひとつの変革が起きました。このモデルから“魂動デザイン”が新たなステージに入ったと言うのですが、確かに従来との違いは一見して理解できました。

まず「ボディサイドにキャラクターラインを持たず、まるで塊から削り出したような硬質なフォルム」は説明を受けるまでもなく新鮮に映り、素直にカッコいいなと言えるものでした。これほどボディサイドの写り込みが気になるクルマもそれほど多くありません。マツダはこれを「深化した魂動デザイン」と呼んで、新しい魂動デザインの始まりを声高に宣言しました。

そして今回のCX-30は、その第2弾ということになります。やはり目が行くのはキャラクターライン(折れ線)の入っていないボディサイドのうねり。つまり面を組み合わせることで、サイドのデザインを構成している点です。映り込む景色によっては“S字のライン”が浮かび上がります。マツダ3でもそうですが、新たなステージに入った魂動デザインの大きな特徴という部分です。

この面の構成で表現する手法はリアのハッチにもあります。ぷくっとハッチの中央部分が膨らみ、そこから下に向かってくびれていくという面構成によって、トンネルのような映り込みが見えます。これが好きかどうかは別として、ここまで映り込みが気になるクルマもなかなかありませんし、個人的には存在感があってとても個性的に見えます。

リアハッチも立体的な曲面で構成され、ナンバープレートの上の部分のへこみの面構成でトンネル形の映り込みになる