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旅客数は年率3割成長、「ベトナムの航空業界」がアツいワケ

“ポスト中国”の注目セクター

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ベトナム政府は11月15日、民間航空分野における投資規制の緩和を発表しました。これにより、同国の航空会社に対する外国人投資家の出資比率の上限が従来の30%から34%に引き上げられました。

多くの読者にとって、ベトナムの航空業界の動向はこれまで関心の高いものではなかったかもしれません。しかし、米中の対立を受けて“ポスト中国”が模索される流れの中で、ベトナムの航空産業は高い成長が見込まれています。

国際航空運送協会(IATA)によると、ベトナムの航空旅客数は2012~2017年に年平均29%増加し、アジア・太平洋全体の同8.7%増を大きく上回りました。現在は異業種からの参入が相次いでいるのに加え、日本企業も含めた外資系企業の出資拡大観測が浮上するなど、世界の株式市場の中でも注目度の高いセクターの1つとなっています。


2強体制に新規参入組が割って入る

ベトナム経済は、米中通商摩擦の長期化で世界景気が減速する中でも、隣国である中国からの生産移管の特需で恩恵を受け、7~9月期の実質GDP(国内総生産)は前年同期比7.31%増と好調に推移しています。

このように好調な経済を追い風に、ベトナムの航空業界は新たな競争局面を迎えています。

同国ではこれまで、ベトナム航空、ベトジェット航空、ジェットスター・パシフィック航空、ベトナムエアサービス(VASCO)の4社が国内線を運航してきました。このうち、ジェットスター・パシフィック航空とVASCOはベトナム航空の子会社であるため、事実上は長年、ベトナム航空とベトジェット航空の寡占状態でした。

しかし、1月に不動産大手のFLCグループの子会社であるバンブー航空が運航を開始。さらに、今夏にはリゾートホテルの運営や旅行予約サイトなどを手掛ける観光大手のティエンミン・グループや、旅行代理店最大手のベトトラベルなどが相次いで航空子会社を設立したほか、コングロマリット(複合企業)最大手のビングループがビンパール航空を立ち上げました。

ビングループはここ数年で、不動産から小売り、自動車、スマートフォン、医薬と次々に新規分野への参入を果たすなど、いまや飛ぶ鳥を落とす勢い。ビンパール航空は来年7月にも運航を開始する計画で、これによって国内線市場が大きく変わる可能性もあるでしょう。

次なる主戦場は国際線に

国内線市場で競争激化が予想される中、先行者のベトナム航空やベトジェット航空は国際線を強化していく方針です。現在、国際線の路線数で勝るベトジェット航空は1~6月期に成田~ホーチミンなど国際線9路線を就航し、国際線事業が旅客輸送売上高の5割を超えました。

また2月には、米連邦航空局(FAA)がベトナム民間航空局に国際民間航空機関(ICAO)の安全基準レベルである「カテゴリー1」を付与しました。これにより、9月にはベトナム航空が、ベトナムの航空会社で初めて米国行き直行便の就航許可を取得しています。

こうした状況下で11月に打ち出されたのが、冒頭で触れた、民間航空分野における投資規制の緩和でした。

同国では国営企業改革の一環で、2015年に当時最大49%であった上場企業への外資出資規制が事実上撤廃され、外資による100%の株式保有が可能になりました。しかし、航空など一部の業種は投資制限が据え置かれていました。

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