はじめに

不倫の恋といっても、その形はさまざまです。昨今、多いのはお互いに既婚で、家庭を壊さないようにつきあうダブル不倫ですが、中には夫が家を出て独身女性の元へ身を寄せるケースもあります。


いつか一緒になりたかった

29歳で彼に出会い、30歳から一緒に住んで7年、そして今年の夏に彼と別れたというのはタカミさん(38歳)です。5歳年上の彼とは職場恋愛でした。

「とはいえ、当時から彼は結婚していましたから誰にも言えない関係でした。彼との関係がどんどん強くなって、『家を出て一緒に住もう』ということになったので、それをきっかけに私は転職しました」

当時、彼には3歳年下の妻との間に、すでにふたりの子がいました。しかも彼の両親と同居していたのだそうです。

「私はワンルームに住んでいたので、広めの1LDKに引っ越しました。そこへ彼が身の回りのものだけもってやってきたんです。いったい、親や妻にどう言って出てきたのか気にはなりましたが聞くことはできませんでした。私は彼と一緒にいられるだけでいいと本気で思っていた」

彼は離婚を望んでいましたが、妻と子どもたちは自分の両親と暮らしています。そこに彼の苦悩もあったようです。

「彼の父親はすでに定年になっていましたが、その後も働き続けていたし、お母さんも仕事をしていたようです。彼の給料の半分は妻の元へ、半分は私に預けてくれました。“奥さん”として暮らすのは本当に楽しかった」

毎日、連絡をとりあって落ち合い、外で食事をしたり一緒に帰宅して夕飯を作ったり。彼もそんな生活を楽しんでいるように見えました。

「ときどき子どもさんの学校行事などには参加していましたね。彼はそれを隠さずに言ってくれるし、私もよけいな嫉妬はしませんでしたから、ケンカひとつしたことがなかったんです」

彼女の誕生日のたびに、彼は「来年のタカミの誕生日までには離婚するから」と言い続けました。彼女は彼を信じていたので、「急がなくていい。いつかそういうタイミングが来るから」と言い続けていたそうです。

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