はじめに
盛り上がるレアスニーカー市場
この店舗のほかにも、渋谷パルコにはスニーカー関連のショップが複数入店しています。その背景にあるのは、スニーカー市場の盛り上がりです。
クリーニング店内に飾られたレアスニーカー
「レアスニーカー」と呼ばれるものは、定価以上の金額でフリマアプリなどで取引され、定価の40倍ほどの値がつくことも。株式投資やFX投資のように「スニーカー投資」をする人もいます。
スニーカーは90年代、芸能人が履いていたことがきっかけで人気に火が付き、「エアマックス狩り」などの社会現象となりましたが、現在のスニーカーブームは少し異なるようです。
現在のレアスニーカーの多くは、ミュージシャンやデザイナーとコラボレーションしたモデル。スニーカーに別のカルチャーという付加価値が加わった商品に人気が集まっているようです。
オタク文化とスニーカーの融合も
5階にオープンした「BAIT(ベイト)」は、カリフォルニア発のスニーカーやフィギュアを取り扱うショップ。漫画やアニメなど、オタク文化と呼ばれるものをスニーカーファッションに取り込んでいます。
同店のスタッフは「レアスニーカー目当てに来店する方が多いと思うが、それに加えて、オタク文化と呼ばれるようなポップカルチャーを発信する場所になっていければ」と話します。
また、「渋谷パルコ」という場所について「スニーカーや、オタク文化などのカルチャーの発信地としてすごくマッチしている」といいます。今後は渋谷パルコ内で、同じカルチャーを持つ店舗同士の横のつながりも作っていきたいと考えているようです。
内覧会で報道陣の取材に対して、「渋谷パルコで感銘を受けた人が、新しい時代を作る循環を生み出していきたい」と語っていたパルコの牧山浩三社長。アートやデザインといった、新たなカルチャーを生み出す場所になることができるでしょうか。
<文:川高元輝>