はじめに

GT-Rは永遠のワクワククルマとして進化せよ

チェッカーを受けた後、クーリングの周回に入りました。日常的な速度域で、お買い物からサーキットまで十分に対応できるスポーツカーの魅力を噛みしめながらピットに戻りました。この走りを支えてくれた新開発のハイグリップタイヤ、そして新デザインの専用アルミ鍛造ホイールは世界のトップブランド、レイズ製を採用しています。さらに専用カーボン製セラミックブレーキが足下を固めているのが視覚からも理解できるのです。

レカロ製カーボンバックシートはホールド性の高さと質感の高さが魅力

さらにボディ剛性を高めるという専用のカーボンルーフや専用RECARO製シート(オプション)とスポーツカーとしての演出効果は十分すぎるほどあります。この鉄壁とも言える足下の備え、ボディのしっかり感の構築などがあるからこそ、600馬力も生きてきます。

ヨーロッパやアメリカの人たちに聞くと、ほとんどが「日本に行ったらGT-Rに乗せてくれ」と言います。一見不格好なこのスタイルも“日本車らしくっていいじゃないか”とか“日本車にイタリアンデザインなど期待しないから、これでいい”とか“無骨さがカッコいい”など、色々とポジティブなことを言われます。

そうなんです。GT-Rは美しいとか流麗とか、そんな表現は似合わないかも知れませんが、これこそ“和製スポーツカーの代表”と言うスタイルを持っているのかも知れません。

そんな世界に通用する、そして日産のイメージを牽引する重要な存在であるGT-Rなのですが「ひょっとしたらこれが最後」になるのでは、とも言われていることは事実です。「どうやらニスモをベースにしたファイナルエディションも準備され、GT-Rはそれで一端終了」とか、いろんな話が入ってきます。

次世代の新型GT-Rの存在があれば別に不安はありませんが、それが確実と胸を張れる状況じゃないというのです。つまり「今の日産にそんなことやってる暇はないよ」とか「利益率の高いクルマを速くどんどん出せ」とかいう意見です。分からないでもありません。スーパースポーツや、さらにはフェアレディZより、台数の見込める利益率の高いクルマに注力した方がいいというのです。

しかし、一度なくすと、こう言ったクルマたちはとくに復活が難しいのです。現在のような状況だかからこそ、日本の象徴として世界に誇れるスーパースポーツが日産に、そして日本にも欲しいのです。ただし、今後はGT-Rに限らず、クルマに対するエンジン音や走行音などについての規制は厳しくなる一方です。

そうした規制をクリアした上で新世代のGT-Rを作るとすれば、先日発表され、話題となったポルシェ タイカンのようなEVかもしれませんが、現状ではモーターとエンジンの新しいGT-Rを見せてくれてもいいと思います。時代に合わせたニューGT-Rも期待したいと思います。

頑張れ日産!

この記事の感想を教えてください。