はじめに
2019年9月13日、カジュアル衣料ブランドのユニクロ(UNIQLO)はミラノのコルドゥージオ広場にイタリア初となる店舗をオープンしました。2018年9月にオープンしたオランダ、2019年4月にオープンしたデンマークに続き、ヨーロッパでは10ヵ国目の店舗となります。
すでにイギリスやフランスでは一定の実績があるユニクロですが、イタリアではどのように受け止められているのでしょうか。オープンして3ヵ月ほどが経ち、ある程度浸透してきた現在の様子をレポートします。
イタリアでの価格は日本の1.5倍程度
今回ユニクロがイタリア1号店をオープンしたコルドゥージオ広場は、ミラノの中心であるドゥオモ広場から300メートルほどの位置にあります。道路向かいには2018年9月にオープンしたスターバックス・リザーブ・ロースタリーがあり、ミラノの中でも一等地と言える場所です。
店舗は地上2層、地下1層の3階建てで、総面積は約1500平方メートル。メンズ、ウィメンズ、キッズ商品のラインナップを揃えています。店内にはミラノ出身アーティスト、オリンピア・ザニョリ(Olimpia Zagnoli)氏のインスタレーションや葛飾北斎の作品がディスプレイされており、イタリアと日本の文化の融合を意識した内装になっているのが特徴的です。
商品の価格はヨーロッパの他店舗と同水準といったところ。例えばヒートテックの長袖シャツが14.90ユーロ(約1,790円:日本では990円)、カシミアのタートルネックのセーターが99.90ユーロ(約12,000円:日本では9,990円)と、平均すると日本の1.5倍くらいの価格です。日本ほどの値ごろ感はないものの品質を考えれば十分に安く、イタリア人だけでなく現地に住む日本人にとっても「これならアリ」と納得できるように感じました。
イタリア人がユニクロのレジに行列
日本では人気の高いユニクロですが、イタリアではどのような受け止め方をされているのでしょうか。特にミラノはモードの街ということもあり、街行く人もどこか洗練された印象があります。カジュアルな印象の強いユニクロがどこまで浸透できるのかは気になるところでしょう。
こちらは土曜日の昼過ぎの店内の様子です。大混雑とは言わないまでもかなりの賑わいで、店内はスムーズに歩けないほど。オープン時と同じように入店制限があり、店の前には常時10〜15分ほどの行列ができていました。オープンして3ヵ月ほど経った状況がこれであれば、かなり健闘していると言っていいのではないでしょうか。
レジにも同じように列があり、待ち時間は常時5〜10分といったところ。ただ、手にとっているものを見るとTシャツやヒートテックなどのインナー、薄手のセーターなど中に着るものが多いように感じました。このあたり、コートなどのアウターを手にしている人が少ないのは、まだ様子見といった雰囲気があるのかもしれません。