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イオンが「次世代ネットスーパー」で提携、“買い物体験”はどう変わる?

AI+ロボットで進化

流通大手のイオンは11月29日、イギリスのネットスーパー専業最大手のオカドとの業務提携を発表しました。オカドはAIとロボットを駆使した中央集約型倉庫と、精緻な宅配システムで急成長している企業です。

イオンはすでにネットスーパーを持っていますが、オカドとの提携で「次世代ネットスーパー」を構築し、2030年までに6,000億円の売り上げを目指すといいます。AIとロボットでネットスーパーはどう変わるのでしょうか。発表同日に開かれた発表会の内容から探ります。


自動でピッキングするロボット

・オカドの「ボット」は、典型的な食料品や日用品など、50食品を約5分間でピッキング可能です。
・「ボット」は互いに5mmの間隔を保ち、秒速4メートルのスピードで動き回ります。
・1台のロボットの1日の総走行距離は50kmから60kmです。

これはイオンとの提携発表会の会場に置かれた、オカドが開発したロボットの説明文です。大きさは郵便ポストほど。上部には電波を送受信するアンテナらしきものが取り付けられています。このロボットが巨大な中央集約型倉庫を走り回り、5万品目以上ある商品をピッキングするといいます。

オカドのロボット

オカドは2000年に創業。リアルの店舗を持たず、ユーザーがオンラインで注文すると、倉庫から商品がダイレクトに届くサービスを展開しています。1週間に平均約30万件の注文を受け付け、1時間刻みの配達時間の指定が可能です。

公開されたオカドの倉庫内の映像では、商品の入ったカゴが、マス目状にびっしりと倉庫に敷き詰められていました。カゴの間にあるレールの上を、多数のロボットが機敏に動き回り、目当ての商品をピッキングしていきます。これにより人手が不要となり、大幅な効率化を実現しています。

ユーザーにはどんなメリットがある?

イオンは今回の提携で、2020年3月までにネットスーパーの事業会社を設立。2023年に中央集約型倉庫を建て、首都圏エリアから新サービスをスタートさせる予定です。

岡田元也社長は「ネットスーパーは、世界的にもさらに伸びていく。日本は出遅れているが、食品の市場規模からも非常に大きなものが期待できる。単に導入・構築するだけでなく、さらに発展させたい」と語ります。

では、既存のネットスーパーのサービスから、具体的にどのように変わるのでしょうか。イオンの吉田昭夫副社長は、オカドの配送システム導入により、1時間単位で受け取り時間を指定できる配送体制を構築すると説明します。

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新サービスでは約5万5,000品目をそろえ、食品グロッサリー中心とした、リアル店舗のスーパーと同様の商品を扱う予定。日本のスーパーは鮮度の維持が重要な商品が多くありますが、中央集約型倉庫内から配送する車まで、温度帯管理を意識したものができるとしています。

また、オカドのシステム導入により、直感的に利用できるシームレスなデジタル体験が可能になるといいます。ショッピング画面を日本のユーザー向けにカスタマイズ。定期的に買うものが上位に表示される機能や、AIによるレコメンド機能で「商品を選んでから精算するまでの時間が短縮されます」(吉田副社長)。

物流に関しては、当初は配送をサードパーティーに一部依頼しますが、自社化を前提に考えているといいます。既存の店舗ピックアップ型のネットスーパーは継続して、「クリック&コレクト」に活用する予定です。

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