イギリス在住の中学生の生活を母の視点で綴ったエッセイ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。
人種差別や子どもの貧困など、学校で起きるさまざまな問題を鮮やかに綴った本書は、2019年6月の発売からじわじわと人気を集め、11月には全国の書店員の投票で決まる「Yahoo!ニュース 本屋大賞2019」のノンフィクション本大賞も受賞しました。
一見、育児エッセイともとられがちなこの作品。しかし、著者のブレイディさんも受賞の言葉として「『いま世界に何が起きているか』ということは、地べたの風景にこそ浸み出しています」と答える通り、母と子の生活を通してイギリスが抱える経済の問題や教育事情が浮かび上がってきます。
そこには日本に住む私たちにとって、人ごとではない「子どもたちの未来」がありました。