はじめに

自分が求めてたものは

夫と暮らしてみて、彼女は悟ったそうです。自分は激動の日々を送ることが好きなのだ、と。何もない日常より怒ったり闘ったりする大変な日常を選びたい、と。でも、夫にはなかなか正直な気持ちを言えませんでした。

「夫は結婚前から全然変わってないんです。私が自分の本音に気づいてしまっただけ。申し訳なくて言えませんでした。でも私、どんどん不機嫌になっていく。ちょうど結婚して3年たったころ、夫が『何かあった?』と。そこで正直に全部話しました。夫は『それじゃしょうがないよね。お互いに変わりようがないもんね』って。本当に仙人みたいな人ですよ(笑)。私みたいな平凡な人間は対応できません」

離婚後も続く関係

結局、離婚したものの、マユミさんは今も月に一度くらい夫の家で食事をしながら愚痴を聞いてもらったりしているそう。つかず離れずの関係ならうまくいくようです。

「夫は私が彼のお金を目当てにしていなかったのがありがたかった。だからずっと友だちでいようね、と。私は私で,結婚するにはお金が重要だと思っていたけど、お金があるからといって幸せとは限らないとわかったし。今も必死で働きながら、愚痴ったり文句を言ったりしていますが、それが私という人間なんだとも思えるようになりました」

そしてそんな自分を受け入れられるようになったマユミさん。彼との結婚はうまくいかなかったけれど、この先の人生、もう少し懐深く生きていける自信が出てきたといいます。自分には何が足りなくて、何を欲しているのかわかったことは、これから役立つのではないでしょうか。

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