はじめに

支援はすべきだが、効果は期待できない

では、働く主婦たちは就職氷河期世代への支援についてどう思っているのでしょうか。「就職氷河期世代に特化して支援することについて、あなたの考えに近いものをお教えください」と尋ねた結果が以下です。(n=995)

有効回答数995人

「支援すべきだし、効果も期待できる」「支援すべきだが、効果は期待できない」合わせて91.3%が、「支援すべき」と回答しています。

就職氷河期世代に該当する人とそうでない人とでも比較してみましたが、どちらも支援すべきと回答した比率が9割を超えていました。就職氷河期世代に該当する人はもちろんのこと、就職氷河期世代に該当しない人からみても、就職氷河期世代への支援は必要だと映っているようです。

そこで気になるのは、支援の効果です。しかし、「支援すべきだが、効果は期待できない」「支援すべきではないし、効果も期待できない」をあわせると、73.1%が「効果は期待できない」と思っています。

なぜ、支援の効果は期待できないのか?

政府が本腰を入れて支援に乗り出しているにも関わらず、効果が期待できないと感じている人が7割を超えているというのは衝撃的です。その理由を探るには、「効果が期待できない」と回答した人たちから寄せられた声に耳を傾ける必要があります。

「今更感がある」「その世代は子育てに忙しいです。子育てをしながらも働ける、採用してもらえる環境が整っているとは言えない」「人手不足の業界に押し込まれるだけかも?」「氷河期の人々はもう中年になっている」「男性前提に考えているのでは?当時、四大卒女子は、会社説明会にさえ参加させてもらえなかった」

当たり前のことですが、就職氷河期世代は男性だけではありません。もちろん女性も含めて正社員と呼ばれる働き方を希望している人がたくさんいることも事実です。

一方で、子育て世代であり、子育てや家事をしながら仕事と両立させたり、時短勤務しながらキャリアを継続・発展させていきたいと考えている人もたくさんいます。就職氷河期世代と一括りにしてしまうことで個々のニーズの把握が雑になり、せっかくの支援が有効に機能しないケースも想定されます。

そもそも、本来は就職氷河期世代が就活生だったころに必要としていた支援を10年も20年も経ってからどう行うのか。単に30万人の正規雇用者を増やすだけでは不十分であることは、明らかなのではないでしょうか。

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