はじめに

3位は投資家の不安感の表れ?

第3位:NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(812件)

一定の投資家層に根強い人気があるETF(上場投資信託)といえば、通称「ダブルインバース」です。これは日経平均が1%下がれば2%値上がりするという、特殊な銘柄です。有り体にいえば、「日本経済が悪化すれば儲かる」という投機性が高い商品です。

今年10月には、ある証券会社のジュニアNISA買付ランキング1位がダブルインバースとなったことで、大きな話題となりました。ダブルインバースは下落相場において値上がり率上位に踊り出しやすい性質を持っているため、十分な知識がないまま購入してしまう例も多くみられます。STREAM上では、注意喚起を促す投稿も多くみられました。

【代表的なコメント】
下落時のリスクヘッジとして奨められるこの銘柄ですが、それはあくまでも、前日までにポジションをとっていない限り、損失することが多いわけで、安易にここに飛び付くのはよした方がいい。 (一部抜粋 らいちさん 20いいね)

第2位:ソフトバンクグループ(1,031件)

WeWorkを運営するウィーカンパニーの企業価値が急減したあおりを受け、15年ぶりの営業赤字となったソフトバンクが、2位にランクインしました。

足元では、2017年4月から下値の目安として意識されていた4,000円ライン近辺で横ばいとなっています。この水準を下回ることがあれば、需給面からもさらなる下落を引き起こす恐れがあるため、予断を許さない状況です。一方、STREAM上では、株主総会に参加したユーザーのルポ投稿が注目を集めていました。

【代表的なコメント】
今年も株主総会行って来ました!最近では結構多い参加者でしたね。孫さん得意の大ボラ(2040年に時価総額200兆円!)も出て、株主の皆さん苦笑い^_^;AIバブルが来るのか、それとも信用収縮が来るのか分かりませんが、上がれば買いコスト0円株の売り上がり 暴落すれば引きつけて買い下がりのスタンスです。未来はどっちだ??社外取締役のユニクロの柳井さんが「孫さんが暴走しない様に私も注意しますから、株主の皆さんもブレーキ役になって下さい!」の発言が印象的でした。(masaru30さん 41いいね)

トップは何かと話題の“EC企業”

意外に思われるかもしれませんが、SNS投稿の人気トップに輝いたのは楽天です。

第1位:楽天(1,046件)

足元では、ふるさと納税の話題や、楽天モバイルの動向を気にする話題が多く見られました。しかし、投稿が盛り上がる大きな要因としては、多くの投資家が楽天のサービスを利用しており、共通の話題で話すことができる点にあるのかもしれません。

知名度がありビジネスモデルがわかりやすい楽天は、初心者がSNSを通じて他の投資家に疑問を投げかけるコミュニケーションの場となっています。楽天モバイルについては既存キャリアとの激しい競争が予想されていますが、少なくともSTREAMにおける個人投資家の間では、懸念よりも期待として受け入れられているようです。

【代表的なコメント】
初めて買った株で初めての利益。とても嬉しかったです。楽天ありがとう。(小田八家さん 30いいね)

楽天が12日発表した2018年12月期連結決算は売上高が前期比16.6%増の1兆1014億円となった。純利益も28.7%増の1422億円で増収増益だった…との事。私は楽天市場で楽天カードを使って5の倍数の日にたくさん買い物して、ポイント貯めてる楽天愛好家です。 ただ、愛用していた店舗が楽天から撤退してしまって悲しい。これだけ業績好調であるならユーザーだけでなく、出展企業からも愛されるようになって欲しいです。(月給 安夫さん 27いいね)

個人投資家のコミュニティ投稿は、相場の過熱感や多角的な投資判断をするうえで武器になる情報の1つです。周囲に株取引していることを打ち明けられず、孤独になりがちな株取引。そんな時、気軽に相談できる相手がオンラインにいることも今や珍しくありません。

書き込みの信頼性やトラブルには十分注意が必要ですが、うまく使いこなせば株取引をする個人投資家にとってSNSは強い味方にもなるでしょう。

<文:Finatextグループ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 古田拓也>

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