はじめに
金融機関をつなぐATMネットワークシステムのメンテナンスが、2019年12月31日深夜から2020年1月4日未明に実施される予定です。全国銀行協会(全銀協)は「年末年始のATMの利用に制限がかかる」と注意を呼びかけています。
長期休暇中は現金が必要になる場面も少なくありません。メンテナンス期間中は、具体的にどんなリスクを想定しておくべきなのでしょうか。
他行ATMで「現金引き出し」不可に
12月31日の23時52分~2020年1月4日の3時50分にメンテンスされるのは、NTTデータが提供する「統合ATMスイッチングサービス」。金融機関をまたぐ取引を中継するシステムです。
メンテナンス期間中は、統合ATMスイッチングサービスを介した、他行ATMでの現金の預け入れや引き出しなどができなくなります。
また、他行宛てに振り込む際、銀行名、支店名、口座番号に加えて、受取人の口座名義を手動で入力する必要があります。
逆の見方をすると、メンテナンス期間中でも、自分が口座を持っている銀行のATMは通常通り、現金の預け入れや引き出しが可能です。金融機関によっては、ゆうちょ銀行やコンビニのATMも利用できる場合があります。
どんな場合に困る?
キャッシュレス化が進み、現金をあまり持ち歩かない人もいますが、具体的にどのようなケースで注意が必要になるのでしょうか。たとえば実家に帰省して、お年玉で現金が必要になる場合です。
メガバンクに口座を持っていて、そのキャッシュカードで帰省先の地方銀行のATMを利用しようとしても、メンテナンス期間中は現金を引き出すことができません。
近くにゆうちょ銀行やコンビニがあればATMを利用できる場合もありますが、地方だと自動車に乗って移動しないと、コンビニにたどり着けないこともしばしばです。
また、旅行で大手コンビニチェーンがあまり出店していないエリアを訪れる際も、注意が必要です。24時間営業をしていないコンビニは、ATMが稼働する時間も限られています。「コンビニに寄ったついでにお金を下ろそう」という人は注意が必要です。
2019年の流行語大賞に「○○ペイ」がノミネートされるなど、スマホ決済が注目された1年でしたが、都市部以外はまだまだ現金決済が主流。いざという時のために、現金を用意しておくと、年末年始を安心して過ごすことができるかもしれません。