はじめに
今までのデザインは「おじさんくさい」
しかし、商品パッケージはシンプルで上記に関する説明は一切ありません。ダスティーカラーの少しくすんだ色合いのデザインに、商品名が書かれているだけです。
「今までのRTD(フタを開けてすぐに飲むことができる飲料)は若い世代にとっては、ともするとおじさんくさい、自分向けじゃないと思われてしまいます。プロトタイプでもパッケージに日本語の説明が入っただけで、格好良くないとなりました。今までのジョージアらしくないデザインをうまく表現できています」(福江バイスプレジデント)
スマートフォンで多くのことができるため、カフェネイティブ世代は持ち物が減り、かばんが小さくなっているそう。大きいサイズのボトルだとかばんから飛び出してしまうため、「持ち歩きに不便」という声を反映させたといいます。
味はもちろん、パッケージもカフェネイティブ世代のニーズに合わせて変更を加えました。徹底したこだわりぶりです。
ワンブランドで二兎を追う
同社が新たなユーザー層の取り込みにチャレンジをする背景にあるのは、ペットボトルコーヒー「ジョージアジャパン クラフトマン」の好調ぶりです。
オフィスで仕事をしながら少しずつコーヒーを飲む「ながら飲み」の需用に応えた500ミリリットルの商品で、「ブラック」と「カフェラテ」を2018年5月に、「微糖」を翌2019年6月に発売しています。トータルの売り上げは2019年11月時点で前年同月比3倍を記録しました。
ジョージアジャパン クラフトマンで従来からの顧客層であるオフィスワーカーの心をつかむと同時に、ペットボトルコーヒー飲料で新たに取り込める可能性のある層として目をつけたのが、RTDのコーヒーをあまり飲まないカフェネイティブ世代でした。
徹底した潜在顧客層への歩み寄りによって、二兎を追おうというジョージアのブランド戦略。思惑通りに、これまで獲得してきたユーザーとは異なる価値観を持つ若年層を取り込むことができるでしょうか。