はじめに

パートで働く人の厚生年金加入要件を拡大する案が検討されています。今は従業員501人以上が対象ですが、段階的に従業員51人以上にまで引き下げる案です。

しかし、厚生年金に加入できるようになることを歓迎する人もいる反面、その保険料分が給与から差し引かれることを懸念する人もいます。

所得税の配偶者控除を含め、扶養枠の適用については賛否の声が入り混じっています。少子高齢化が進む中で保険の支え手(支払う側)を増やす必要性も議論されており、扶養枠自体をなくすべきだという意見もあります。

一方で、中には働きたくてもそれがかなわない人がいることも忘れてはなりません。人によって事情は異なります。誰もが納得できる制度作りは簡単ではありません。

扶養枠内に収入を抑えるメリットは、税金や保険料などが優遇されることです。では、もし仮に高い収入が得やすい環境が実現したとしたらどうなのでしょうか?しゅふJOB総研では、そんな観点で仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦”層に調査しました。


いくらなら扶養枠を外すか?

昨年、働く主婦層に「あなたは時給換算でいくら位の仕事であれば、扶養枠を外して働くことを選びますか。判断基準として近いものをお教えください」と尋ねたところ、以下の結果となりました。(n=995)

あなたは時給換算でいくらくらいの仕事であれば、扶養枠を外して働くことを選びますか。判断基準として近いものをお教えください(単一回答)

有効回答数995人

「2,000円以上でも扶養枠内に収めて働く」と回答した人が9.5%。この結果を逆から見れば、時給次第では扶養枠を外すことを選ぶ人がおよそ9割に上ることになります。

扶養枠内に収めるか否かは、金銭的なメリットが得られるか否かに大きな影響を受けると言えそうです。では、具体的に時給がいくらであれば扶養枠を外すのでしょうか?

金額について100円単位で回答してもらった結果を集計したところ、最も多かったのが「1,500円以上」で22.9%。1500円より上の金額を選んだ人と合わせると54.3%で過半数となります。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介