はじめに
“攻め”の価格設定に注目
この原稿を書いている段階でフィットの価格は明らかになっていません。ただ前述したようにディーラーでは事前予約を取っていたので、価格はある程度わかってきました。
まず1.3Lガソリンエンジンの「BASIC」。前述したように「ホンダセンシング」を標準装備するなどクルマとしての基本はしっかりおさえているモデルですが、車両本体価格は155万円前後になります。昨今、軽自動車の高価格化が気になるところですが、新型フィットはかなり挑戦的、攻めの価格設定にしてきました。もちろんBASICにはオートエアコンもありませんが(但しハイブリッドは燃費を向上させるために標準装備)「クルマは完全な足として使う」とかビジネスユースで使われる法人などにはかなり魅力的な価格設定と言えます。
一方、中核となる「HOME」にはその分、本革巻きステアリングホイールやシート表皮など上質なものが装備されます。この「HOME」のガソリン車は170万円を少し超える価格、つまり新型フィットはこの価格ゾーンから実質商売をスタートさせることになります。これに前述したコネクテッド&対応カーナビを装着すれば車両価格は当然上がりますが、基本装備が充実しているので全体的にはコスパは高いと考えられます。
「HOME」の室内。シート表皮も上質なものが設定されます
ハイブリッドの価格をどう見るか
一方、注目のハイブリッドですが「BASIC」の場合、装備がガソリン車とイコールにならない設定なので、価格差は45万円弱高くなります。それでも車両本体価格を200万円以下に抑えているのは巧みな価格設定と感じました。
ガソリン車とハイブリッド車の装備が同等であれば、その差は縮まります。注目している「CROSSTAR」の場合だとこれが約35万円位の差で収まるわけです。
価格差を燃費(ガソリン代)で取り戻すためには相当な距離を走らなければいけませんが、そもそもハイブリッドにはモーター領域で走ることによる静粛性の高さや独特の運転感覚を味わうことが可能です。年間の走行距離が短く、コスト自体を抑えたい人にはガソリン車がオススメですし、ハイブリッド車との価格差を逆に他のグレードに回すというのも賢い買い方のひとつと言えます。
当面ガチンコのライバルとなるトヨタ・ヤリスとの価格差はグレードにもよりますが、それ程の差はありません。さらに言えば装備差もありますので購入時にはその辺も含めて考える必要があります。
MONEY PLUSでもその辺は今後伝えていきますが、いずれにせよユーザーにとってはコンパクトカー選びが面白くなってきたことは間違い無いでしょう。