はじめに
ヴィーガン商品はどれほど売れる?
5周年を迎えたボタニストのブランドキャンペーンで、同社は「共に生きる」というメッセージを打ち出しました。多様なライフスタイルに合った商品展開をしていく中で、ヴィーガンは象徴のひとつという立ち位置のようです。
「ブランドは何を掲げていて、どうコミットしていくかを消費者が見るようになってきた」と、梁広報課長は分析します。
しかし、ヴィーガン分野は成長しているものの、まだまだ実践している人の数は多くありません。どのようなユーザーに購入されるのでしょうか。
「ボタニストのファンになる方は、エシカルな意識が高いですが、必ずしもヴィーガンというライフスタイルを選んでいる方だけではありません。ヴィーガンと、そうでないものの壁を崩したい」(梁広報課長)
ボタニストシリーズの2019年の売り上げは前年比4%増。同社全体で見ても増収増益といいます。 藤岡マーケティング本部長は今後の戦略について、「一定以上に市場に広げると、値引きや安売りされたり、ブランドのコンセプトにフィットしないお店に並ぶ可能性があります」として、「いたずらに広げるより、セリングとブランディングのバランスをとりたい」と話します。
ボタニストでは「2025年までに定番ラインの40%以上でバイオマス容器を使用する」など、SDGsの取り組みに関する「マニフェスト」も発表しています。環境に対する人々の意識の高まりを、商品のブランディングに結びつける流れは、今後さらに加速するかもしれません。