はじめに

歴史とクオリティが凝縮

旧型のアウディA1は少し丸っこいデザインで可愛らしさが立っていました。もちろんそれはそれでいいのですが、今回の2代目はデザインにエッジが効いていて、さらに表情に大人っぽさがあり引き締まっているのです。その要因のひとつが大きなシングルフレームグリルの上、ボンネットのラインの下に見える3分割されたスリットの存在が分かるでしょうか。

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これなんですね、大人っぽさやワイルドさが感じられるのは、この3分割スリットの効果もあると思います。これは1984年に登場した「スポーツクワトロ」という、スーパースポーツモデルへのオマージュとなるデザインだそうです。といわれても最近の方はピンとこないかもしれません。とりあえずスポーツクワトロの写真も用意しましたが、ちゃんとフロントグリルの上に3分割されたインテークがあるのが分かると思います。

3「スポーツクワトロ」

このスポーツクワトロ、当時としてはまだ珍しかったフルタイム4WDシステムを採用して、その絶大なるトラクションとマニュアル操作でロック可能な2つのディファレンシャルを武器に世界ラリー選手権(WRC)に挑戦し、1986年に撤退するまで、WRCイベントで23度の勝利と、4つのワールドチャンピオンタイトル獲得という偉業を達成しているのです。

当時とすれば誰もが憧れるスーパーモデルだったわけですが、その血筋を「小さな僕ですが、その意思はちゃんと引き継いでいます!」とでも言いたげな表情なわけです。

現行モデルでこうしたデザイン意図を採用しているのはアウディのスーパーカー、R8だけです。もちろん、そうしたヘリテージに関心がなくても、デザインとしても悪くないと思いますが、A1スポーツバックはFFモデルのみです。それでは走りに物足りなさがある?なんてことは心配無用だと言うことは、ワインディングに走り出してすぐに分かります。

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