はじめに

なぜ、年下との結婚を強く期待してしまうのか

男性年上婚が55%にまで減少し、年上妻婚が同年齢婚を上回る時代。それでも年の差婚を強く期待してしまう人がいるのは、「年下ほど未婚者が多い。だから望みはある!」という思いからかもしれません。

確かに、2015年国勢調査を未婚者の数だけでみるならば、

20歳 114万人 
25歳 93万人 
30歳 65万人 
35歳 49万人 
40歳 47万人

となります。これだけみれば、40歳は20歳の43%しかいないから、40歳にとっての20歳の隣に座る空席はたくさんあるのでは、となります。

しかし、同じ現象を逆に既婚者(有配偶者)の数でみると、

20歳 3万人 
25歳 20万人 
30歳 65万人 
35歳 95万人 
40歳 124万人

となり、実に40歳では、20歳の41倍も有配偶者がいます。少子化人口減少のもとではたとえ同じ割合でも、上の世代の方が数でかならず凌駕します。

このような社会状況において、20歳から見た40歳は「41倍、家族を持っているお父さん、お母さん」というイメージになります。割合でみても、20歳であれば、95%、40歳は25%が未婚者なのですが、さらに実数でみると、圧倒的に家庭をもった集団、それが「20歳の男女から見た40歳の姿」です。

相手が自分をどう見るか、というのは、どう抗おうと、やはり自分が所属している「社会的集団の状況」に支配されます。ある結婚相談所で、60代の男性が20代の女性にひたすら申し込むものの、反応がなく、「どうして反応がないんですかね?」と支援者が聞かれて困っている、という相談を昨年受けました。

これに対する統計的な結果に基づく回答としては「人口構造的には、彼が20代女性から見て、彼氏イメージはなく、そろそろ孫もいるおじいちゃんイメージであるからです」ということになります。これに対して、「社会的イメージなんてどうでもいいじゃないか」というのは、それは自身の考えであって、ほとんどの「パートナーとしたいと思う条件にある『相手の気持ち』」ではないゆえに、関係が成立しないのだろうともいえます。

「自身の希望はさておき、いかに(自身の希望条件にある)相手の立場になって想像し、決断できるか」。これは年齢を問わず、婚活における成果を出すための重要なポイントとなります。

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