はじめに
実はとんこつは創業時からあった
「今までのアプローチとは違う角度で、余計なものを削ぎ落とし、究極の空間で究極のラーメンを作ろうと考えた」と、語る生田社長。
このとんこつラーメンの原型は、2006年の会社創業時にまでさかのぼります。新宿・ゴールデン街で間借り営業していた時のラーメンを改良し、渋谷本店で提供していたそう。
2008年ごろには煮干しラーメンの人気に火が付きましたが、とんこつラーメンに転機が訪れたのは2010年でした。
香港の友人に「店を開かないか」と誘われ、複数のラーメンを持っていったところ、現地で支持されるのは圧倒的にとんこつと判明。これを機に、国内は煮干しラーメン、海外はとんこつラーメン、とメニューを別にして店舗数を拡大していきます。
とんこつラーメンチェーン「一蘭」出身である生田社長は、「巷にすでにおいしいとんこつラーメンが多数あることに加え、自社の煮干しラーメンに自信を持っていた」と振り返ります。
「今ならとんこつラーメンで戦える」
それでは今回、「BUTAO」ブランドで国内展開を始めるのはなぜでしょうか。生田社長は「令和の時代を迎えて、世の中が変わり始める潮目を感じ、次は日本でチャレンジしようと考えた。海外で商品改良を続けてきたので、このラーメンで十分日本で戦える」と、背景を説明します。
煮干しラーメンは必ずしも万人受けするものではないですが、とんこつは幅広い層に好まれることから、「BUTAO」の国内における当面の出店目標は30店。すでに新宿や大宮にオープンした「豚王」は、神田店をモデルに今後メニューなどを変更していく予定です。
凪スピリッツは、2019年6月時点で売上高が15億8,000万円を突破。熱心なファンを抱える煮干しラーメンに、とんこつラーメンが加わることで、新たな層の利用者を獲得することができるでしょうか。