老後

親が住んでいたはずなのに…名義変更を怠った結果が招いた悲劇

相続人が一気に増えて、遺産分割協議が難航

Share to facebook.Share to twitter.Share to line.Share to hatena.

現在、お住まいの不動産の名義を確認したことはありますか?

両親が長く住んでいた家は、当然、親の名義になっていると思う方は多いと思います。しかし、その家が、先祖代々引き継がれている不動産だとしたらどうでしょうか。

何らかの理由で名義変更されず、何十年も前に亡くなった先々代の名義のままだった場合、相続人が増え、トラブルに発展する可能性があります。


実家の所有者は、25年前に他界した祖父?

高島正仁さん(52歳、仮名)は、先日、父親を亡くしたばかり。葬儀、埋葬、納骨を終えてひと段落し、遺産分割協議(遺産を分ける話し合い)について考え始めたところです。

母親を10年前に亡くしているため、今回の相続人は、正仁さん、姉、兄の3人。3人とも実家を出て、近くの持ち家に住んでいます。

正仁さんは、父親が住んでいた不動産の登記簿謄本を見て驚きました。所有者が、25年前に亡くなった祖父の名前のままだったのです。

どうしてこんなことが起こるのでしょうか。今まで何も問題はなかったのでしょうか。

名義変更を先延ばしにしてしまう理由

不動産の名義が先代、先々代のままになっている原因のひとつに、名義変更に期限がないことが挙げられます。特に期限がないものですから、つい先延ばしにしているうちに、結局そのままの状態で次の相続を迎えてしまうことがあります。相続による不動産の所有権移転登記が義務ではないこと、また名義変更時に登録免許税等の費用がかかることも原因かもしれません。

不動産登記制度の役割は、その不動産に関する権利関係を公示し(第三者にこの不動産は私のものですよ、と示すこと)、不動産に関する適切な情報を提供することにより、不正な不動産取引が行われないようにするものです。

遺言や遺産分割協議によって、有効に権利の変動(所有者があらたに決まる)があれば、登記が変更されていなくても、その権利の変動は有効になります。ところが、第三者から見るとそれはわかりません。

祖父名義だと判明したことで、一気に増えた相続人の数

祖父が亡くなった時に、誰がこの不動産を引き継ぐことになっていたのか。はたまた、遺産分割協議がうまくいかずそのままになってしまっていたのか。今となってはわかりません。

遺産分割協議はされていて、名義の変更が行われていなかっただけということであれば、当時の遺産分割協議書をもって名義変更を進めることができるかもしれません。

しかし、もう何十年も前に行われた遺産分割協議書が見つかる可能性は低いのが現状です。そうすると、相続人全員であらためて遺産分割協議をすることになります。

正仁さんの祖父が亡くなった当時の相続人は、正仁さんの父親を含めて4人。きょうだい4人が相続人でしたが、年月が経ち2人が亡くなりました。相続権はその子どもに移ります。それぞれのきょうだいには、子どもがいましたので、今現在、相続人が、正仁さんを含めて8人になりました。

正仁さんから見て、叔父、叔母、いとこにあたる人たちとの遺産分割協議のはじまりです。日頃顔を合わせることもない人たちと、お金の話をしなければならないのです。

快く協力してくれる人、高額なハンコ代を請求してくる人、関わりたくないと話すら聞いてくれない人……。相続人全員と話し合いをし、遺産分割協議書を完成させるのには、膨大な手間と時間とお金を要することになるのです。

Share to facebook.Share to twitter.Share to line.Share to hatena.

あなたにオススメ