はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの相談シリーズ。今回はプロのFPとして活躍する深野康彦氏がお答えします。
昨年子供ができて、みなさんより約100万円のお祝いをいただきました。いただいたお祝い金で子供の将来のために資産運用をしたいと考えています。もちろん別に学資保険のようなものにも入っています。期間としては中学卒業までの15年。どのような運用がよろしいでしょうか? 投資信託で月々1万円のように少しずつの方がよいのでしょうか。
(40代前半 既婚・子供1人 男性)
深野: お子さんが生まれた際にいただいたお祝い金を元に教育資金の運用を考えられているようですね。ただ、お子さんが中学を卒業されるまでの15年間という運用期間があるとはいえ、お祝い金を投資信託などのリスク商品で運用することはあまりおすすめできません。
まとまったお金を一度に運用するのではなく、ご質問に書かれているように、毎月の積立で投資信託などを買い付けていくほうが無難と言えるでしょう。幸い、学資保険のようなものもされているようですので、万が一、運用に失敗したとしても学費が不足することはないと思われますが、意に反して進学資金などで予想外の出費がかさんでしまうこともありえます。
お祝い金は安全確実な運用に徹して、お給料からの積立で投資信託などのリスク商品を買い付けていくという二刀流のようなかたちでの資産運用をされていくのがよいでしょう。
利益確保の行動をお忘れなく
投資信託などの積立投資では、NISAを活用することで運用益を非課税にすることも可能になります。
まとまったお金は、ネット銀行の定期預金を繋いでいくか、個人向け国債の変動10などで運用されるとよいでしょう。
個人向け国債であれば、キャンペーンを行っている証券会社を活用すればキャッシュバックなどを受けることができるはずです。どこの金融機関で購入しても条件は同じですから、少しでも収益を高くするためにキャッシュバックのある金融機関を利用されてください。
投資信託の積立において、あまりリスクを取りたくなく堅実に運用したいのであれば、国内債券を投資対象とする投資信託。なかでも物価連動国債を投資対象とするファンドなどに注目されるとよいはずです。
ある程度の収益を確保したいとお考えであれば、国内外の株式への資産配分が50%前後のバランス型ファンド。あるいは、国内外の株式だけで運用されるインデックスファンドに注目してみてはいかがでしょう。
投資信託を活用する場合は運用したお金を使いたいときに必ず利益が確保できるわけではありません。運用期間15年の間、それなりの収益が確保できたならば「利益確保=売却」して、以後は預貯金や債券などで使う時期まで安定運用されるように心がけてください。