生活

新入社員「生命保険に入らない」と決めましたが問題は?

FPの家計相談シリーズ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの相談シリーズ。今回はプロのFPとして活躍する深野康彦氏がお答えします。

今年、新社会人になり、生命保険に加入すべきかどうか悩んでいます。いろいろと話を聞くなかで、今のところは入らなくてもいいのではと考えています。その理由は以下の3つです。

1:結婚しておらず子供がいない
2:自分が本当に必要な補償が何かわからない
3:リターンを得るためには長期間運用をしなくてはならない

また、高い掛け金にした場合に金銭的な観点だけでいうと、解約によって損をすることも理由です。もちろん、もしものときの保証を買っているという意見がありますが、営業のポジショントークのようにも聞こえます。

仮にお金を積み立てるのであれば、定期預金、もしくはリスクが高いかもしれませんが投資信託に預けたほうがよいと考えています。そして、現在の自分が導いた結論としては「安い掛け金で終身保険に加入。もしくは、最低限の保障のある定期保険に加入する」というのがベストなのではと考えているのですが、いかがでしょうか? ご意見いただけると幸いです。
(20代前半 独身 男性)


深野: 生命保険に関するご質問ありがとうございます。早速、回答に移らせていただきます。

結論からいえば、安い掛け金の終身保険や最低限の保障のある定期保険にも加入する必要はありません。せいぜい掛け金の安い医療保険か医療共済への加入で十分でしょう。

死亡保障は誰のため?

ご質問者の方は20代前半の独身新社会人と書かれていますが、まず生命保険の主力の保障となる死亡保障は現在の状況ではそもそも必要がないということです。

死亡保障は保険をかけている人(被保険者)が亡くなった場合、残された家族が経済的に困らないようにするものです。現在、独身のご質問者の方が、万一、不慮の事故などで亡くなったとしても経済的に困る人はいらっしゃらないはずです。

仮に親の面倒をみているため仕送りを行っている場合などはこの限りではありませんが、そのため、たとえ掛け金が安い、あるいは最低限の保障であっても死亡保障は必要ないということになります。

将来、死亡保障が必要になる時期は、ご質問者の方が結婚されて子供が生まれたときと考えてください。本当に必要になったときにはじめて加入すれば問題ありません。

仮に不慮の事故で障害者になったとしても、加入している公的年金から障害年金が支給されますのでご安心ください。

保険の利点は速効性

では、ご質問者には「まったく保障が必要ないのか?」と問われれば、医療保険への加入は考えた方がよいかもしれません。

新入社員であればあまり資産を保有していないでしょうから、病気や怪我で長期入院した場合には、やや心もとないからです。病気や怪我は貯蓄ができるまで待ってはくれません。

つまり、病気や怪我を賄うことができるまでの、あくまでつなぎとして医療保険に加入するというわけです。

保険の利点は保険金給付に該当する事由になったときには、たとえ保険に加入して1週間しか経っていなくても給付金が支払われる速効性です。

ただし、長期入院されたとしても厚生年金に加入していれば傷病手当が出るため、高額な医療保険に加入する必要はありません。保険料負担を考えるのであれば、毎月の掛け金が2,000円前後の医療共済(都民共済や県民共済、あるいは全労済)で十分だと思います。

今は生命保険に加入するよりも社内預金や財形貯蓄などの給与天引きによる積立、あるいは給与が振り込まれる銀行の自動積立定期預金で貯金を貯める時期と考えてください。まずは現預金の確保が優先されることから、投資信託に投資するのは一定の金額が貯まるまで控えるべきでしょう。

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