はじめに
自分ごととして、経験者を見守っていく上で大切になること
回答には「姉妹や親戚といろいろ話して落ち着きを取り戻せた(50代男性)」という人や「忘れるために無理矢理毎日を仕事で忙しくした(50代女性)」という人も一部みられましたが、多数派ではありませんでした。
対象者が具体的な回答を記述した人に限られるため解釈には留意する必要はありますが、「家族・大切な人との離別・死別」というつらい経験をした中高年シングルには、現実を受け入れる上で、日常を過ごす中で時間が過ぎるのを待ったという人の方が圧倒的に多かったことがうかがえます。
多くの人にとって家族や大切な人との別れは、いずれは訪れるものとぼんやりとはわかっていたとしても、想定外のつらいできごとです。今回の調査では、これらの経験をした時期や離別・死別の原因、その人との関係等についての詳細をたずねていないため、回復に向けてどれほどの時間が必要になるのかを知ることはできません。
しかしながら、調査結果からうかがえるのは、自身が当事者としてそうした現実に向き合ったり、周囲がそのような経験をした人を見守っていく上で、それまでと同じように日常を過ごすことや、傷みが和らぐまでの長い時間を待つことがとても重要になるということではないでしょうか。