はじめに

春からの新生活にむけて勉強を始めたものの、覚えることが多くてすぐに忘れてしまう……そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。資格試験・大学入試・社内の昇進試験など、いわゆるペーパー試験の合格のカギは「暗記」にあります。勉強した内容を暗記して、試験会場で答案用紙に適切に吐き出すことができれば、どんな試験にだって受かるのです。

難しいのは、どうやって暗記したらいいのか――。この一点に尽きるといえます。

ここでは『図解でわかる 暗記のすごいコツ』の著者・碓井孝介氏が、有効で効率的な「暗記のコツ」を紹介します。すぐに真似できる方法ですので、ぜひあなたの勉強生活に取り入れてください。


「セルフ作問」で視点を変えて、知識を膨らませる

試験で使える知識とするためには**「情報を変換し、複数の知識として覚えること」** が極めて有効です。テキストに書いてあることをそのまま覚えるではなく、情報を変換し、出題の切り口が変えられても答えられるようにするのです。

簡単な例を挙げて説明しましょう。たとえばテキストに次の情報が載っています。あなたならどうやって覚えるでしょうか。

・関ヶ原の戦いは、慶長5年にあった

テキストにこのように書いてあったら「関ヶ原の戦い=慶長5年」とだけ覚えてはいけません。その理由は「関ヶ原の戦い=慶長5年」と覚えていたら「関ヶ原の戦いは慶長7年である。正か誤か」と問われたら答えられますが、出題の切り口を変えられたとたんに、答えられなくなるためです。

「関ヶ原の戦い」をめぐっては、切り口を変えた出題も当然あります。たとえば「関ヶ原の戦いは、西暦何年?」という問題や「関ヶ原の戦いで戦ったのは、誰と誰なのか?」、「関ヶ原の戦いで勝利したのは誰?」と問われることだってあるでしょう。

このような問いかけにも対応できるように、テキストに「関ヶ原の戦いは、慶長5年にあった」と書いてあったとしても「慶長5年」という情報だけでなく、「西暦1600年」「徳川家康と石田三成が戦った」「徳川家康が勝った」という情報も記憶するのです。

ここでの暗記のコツは「セルフ作問」です。セルフ作問とは、目の前の情報を変換して、自分自身で問題を作り、その答えを覚える方法です。 「関ヶ原の戦い」というキーワードから、たとえば次のように作問し、解答を覚えます。

・関ヶ原の戦いは西暦何年か?→1600年
・関ヶ原の戦いで戦ったのは誰と誰?→徳川家康と石田三成
・関ヶ原の戦いの勝者は?→ 徳川家康

セルフ作問をうまくできるようにするために、目標とする試験でどのような形で問われるか、その傾向を過去問などで確認することが大切です。過去問を見て「和暦ではなく西暦で問われる」「戦いの当事者が問われる傾向にある」「戦いの結果(勝者)も問われている」と分かったら、それに沿うように、自分自身で作問すればいいです。1の知識を1として覚えるのではなく、1の知識を3や5に増やして覚えるクセをつけましょう。