はじめに

期末需給も反転の追い風に

日本株が先行底入れした背景には、日本独自の需給要因も追い風となった可能性があります。3月決算企業の配当権利取りを目論んだ個人投資家などの買いが入りやすいうえ、機関投資家の配当再投資の思惑から、例年この時期の株価は堅調に推移しやすい傾向があります。

そもそも1〜2月は決算前の整理売り、利益確定などの期末処理が先行して下げやすい面もありますが、それらが一巡する3月中旬からは足取りを強めるケースが多く観測されてきました。

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上図には1〜3月に15%級の短期調整を強いられた過去6局面(2000年以降)の平均値を図示しました。平均パターンでは3月15日に底打ちして2〜3ヵ月程度の回復局面を描く格好となっています。

下表に示すように底打ち後、2割前後の株価上昇を示しており、今回に当てはめれば2万円程度への回復が望めるということになります。ちなみに6回平均のグラフでは、半年後に再度2番底をうかがう姿となっている点がやや気がかりと言えそうですが、リーマン・ショックのような極端な信用収縮の懸念は小さいと考えれば、5回平均つまり底割れなしのイメージを想定したいところです。

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<文:投資調査部 林卓郎>

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