はじめに

4月3日に発表された米3月非農業部門就業者数(NFP)の速報値は、市場予想の前月比▲10万人よりもかなり弱い▲70万1千人となりました。市場予想よりはかなり弱かったものの、もともとこの速報値は5月には大幅下方修正されることが予想されており、市場反応の指標への反応(ドル下落、米金利低下)は一瞬で終わってしまいました。


市場はすでに織り込み済み

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今回の米3月雇用統計に関しては、筆者も予想することを断念しました。なぜかというと、筆者が米雇用統計を予想するうえで重要視している、米失業保険継続受給者数の推移があまりにも大きくぶれており、米雇用統計調査週とされる12日が含まれる週の内容が、どれだけ正確なものかが読み切れなかったためです。

しかも、年間の数値をならすために使われる季節調整係数もうまく働かないことも予想され、筆者は予想を断念しました。ご参考までに、季節調整前の3月NFPは前月比▲25万1千人です。

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NFP以外にも、失業率、労働参加率も悪化しましたが、ロックダウンのような状況下において解雇になるのは低所得者・パートタイマー・日雇いのような人々が多いため、平均時給は前月比・前年比ともに上昇する結果となっています。

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最初に少しだけ触れましたが、これだけ弱い米3月雇用統計に対する市場反応はわずかのものでした。しかもこの日は米3月ISN非製造業景況指数の発表もあり、通常の週末であれば、大きくドルが売られ、米国債利回りが低下していたことでしょう。

しかし市場参加者はすでに、目先の米経済指標がかなり悪化すると見ていることで、市場反応は限られています。想像するに一部の投資家は、新型コロナウイルス感染拡大が収束し始めた後の相場を考えて動き出している可能性も高いと思われます。

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