はじめに
コロナ後にも強そうなセクターは?
直近の株価の動きは新型コロナウイルスによる特需や短期的な悪影響の反映であるとの見方もできますが、長期的なライフスタイルの変化を先取りしている可能性もあるのではないでしょうか。特に役割の変化が予想される製品を見ていきましょう。
まずは家庭ゲーム機です。騰落上位2番目のその他製品セクターに属する任天堂(7974)は、外出自粛に伴うゲーム需要の増加から株価が30%以上上昇しています。
主力製品であるニンテンドースイッチは生産が追い付かないほどの人気を見せており、今回使用を開始したユーザーが継続的に使用し、業績が押し上げられることも考えられます。
また、人々の生活様式の変化が追い風となることも考えられます。たとえば社会人で通勤時に暇つぶしとしてスマホアプリでゲームをしていた方も多くいたのではないでしょうか。
しかし今後テレワークが広がりを見せた場合、通勤の時間がなくなるため、その時間を使って家でゲームをする人も増えるのではないでしょうか。スマホゲームを家庭ゲーム機が代替し、需要が高まる可能性も期待できます。
ライフスタイルを激変させたコロナ
続いてマスクです。連日店舗での品切れがニュースで報道されていますが、株式市場でも医療用衛生材料最大手である川本産業(3604)が1月下旬に10連続ストップ高を記録するなど、新型コロナウイルスの影響を先取りして動きがありました。リバウンド相場ではセクターとして目立った動きはありませんでしたが注目といえるでしょう。
今までは風邪気味の際に周りに迷惑をかけないため、最小限を家庭に保管しておく存在でした。しかしこれを機会にエチケットとしてマスクの常時使用がスタンダードになる可能性があるのではないでしょうか。
マスク着用の文化がなかった米国でもつけることが推奨されるなど、マスクを取り巻く環境は劇的に変化しており、一時的な物色対象ではなく、長期的に成長産業となる可能性を秘めています。
日本への影響は小さいと思われていた新型コロナウイルスは今や、従来のライフスタイルを激変させてしまいました。厳しい日々が続きますが、自分の生活を見直すと同時に、その変化を投資アイデアとして活用してみてはいかがでしょうか。
<文:Finatextグループアナリスト 菅原良介>