はじめに

VIXの高値は株価の安値

VIX指数は、平常時の投資家心理が落ち着いている局面ではおおむね20以下で推移することが多く見られます。一方、今回のような世界的な混乱やショックが起きた際には大きく上昇します。上図は1992年初以降のVIX指数と米国の代表的な株価指数であるSP500種を示したものです。

過去、市場の混乱が大きくなる際にはVIX指数との連動性が高まっていることがうかがえます。1992年以降、終値ベースでVIX指数が40を超えて上昇した局面が7回ありました。それぞれ当時の株価を振り返ると、7回のうち4回においてVIX指数が高値を付けた当日やあるいは翌日にSP500が当面の底を付けています。

そして、VIX指数が高値を付けた後のSP500の株価パフォーマンスは1ヵ月後が8.92%、3ヵ月後が12.15%、半年後が16.10%と、比較的早い段階から回復に転じていることがうかがえます。今回の局面ではVIX指数が3月16日に終値ベースで82.69の高値を付けたあと約1ヵ月後には40を下回り、足元では30台で推移し落ち着きを取り戻しつつあります。SP500種はVIXの高値から1週間たった3月23日に2,237.40の安値を付けたあと、反発の動きが見られます。

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