はじめに
トレンドとしても親との同居婚は大きく低下
次に同じデータを2008年第4回調査、2013年第5回調査の結果とも比べてみたいと思います。
10年前の2008年は9月にちょうどリーマンショックのあった年ですが、調査は7月に実施されていますので、その影響はありません。経済環境的に見て、ほぼ平常モードの調査結果といえます。10年前では今よりも7ポイント多く、4組に1組以上は親との同居生活をしていた、という結果です。割合的に多くはありませんが、5組に1組未満となった今よりは多かったといえます。
5年前の2013年には、親との同居婚が3割を超えて3組に1組に近づいていました。しかし、この結果をみて、親との同居は調査年によって増えたり減ったりのようだ、とみるのは妥当なデータの見方とはいえません。
2013年のこの結果については、2011年3月の東日本大震災の影響を考える必要があるといえます。筆者は人口動態の研究者でもありますが、大震災後、原発問題で福島県から大量の県外への転居(特に女性)が発生し、2019年になるまで全国トップレベルで人口流出が減少してこないといった状況でした。
また、復興庁によると2019年でもこの災害の避難者が全国に存在しているということで、まさしく日本の観測歴史上最大規模の災害だったのです。つまり、2013年については親との同居について統計上の異常値が少なからず含まれている、とみたほうがいいように思います。