新型コロナウイルス感染の第2波警戒や米中対立の不透明感がくすぶる中でも、日本を含む世界主要市場の株価は堅調を持続しています。

日経平均は6月に入り約3ヵ月ぶりに2万2,000円台を回復、内外での経済活動再開が広がりをみせる中、主要各国での金融・財政政策の積み増しで、景気最悪期からの脱出観測が一段と高まっています。

従来のショック安では1番底の数ヵ月後に厳しい2番底を試す動きが出るなど、本格底入れに時間経過が必要なケースも少なくありませんでした。しかし今回は短期間で底入れ完了し、着実な復元過程に入った可能性を感じさせます。


4年サイクルの大底通過か

過去の株価サイクルから見て、今年3月の安値(1万6552円)は下図に示した通り4年程度の間隔で訪れる重要な底値だった可能性が高いと考えます。併記した日銀短観・大企業製造業業況判断との比較でもわかるとおり、この4年サイクルは短期の景気循環ともおおむね一致します。

米国の大統領選サイクルとも関係すると見られますが、景気の最悪期(おそらく4~5月)に先行して株価が3月に大底を形成した格好と思われ、再度の下値試しの懸念は小さいように見受けられます。

世界主要国にはややタイミングが遅れましたが、5月最終週には日本でも緊急事態宣言が全面解除され、過去に例をみない大規模な補正予算の方針も固まりました。世界的に活動再開の動きが広がりつつある中、戦後最悪とも言われる水準まで一気に落ち込んだ世界経済は当面、回復軌道を維持すると見られます。

株式需給も底入れ支援

下図は先物取引と現物取引の裁定取引残高です。先物取引を主体的に売買する海外投資家は2015年以降、ほぼ一貫して日本株を売り越し状態を続けていますが、今回のコロナ・ショックではさらに「日本株外し」の動きを強めました。

下げ足が加速した今年2月半ばから5月第3週まで14週連続で売り越しを記録(現物+先物合算)、2020年トータルでは8兆円超えの売却主体となりました。このあおりもあって、裁定買残金額が急減、売残は一気に積み上がり、ネットの買残金額(買残-売残)は過去最低水準に落ち込みました。

グラフで確認できるとおり、こちらも4年間隔の底値サイクルと一致して循環していることがわかるかと思いますが、重要な転機を迎えたとみています。

<写真:森田直樹/アフロ>