被疑者が隠している事実を心から完全に反省し真実を言わせることを、刑事の世界では「完落ち」と言います。被疑者といえども、人には誰にでも言いたくないことがあり、それに対して刑事は言いたくないことを言わせなければならない立場にあります。ですから、取調べにおいて大切なのは、人と人との心の触れ合いです。
そういった意味で、刑事は「コミュニケーションの専門家」と言えます。さまざまな職種や立場の方と接し、相手の心理を読んで、言いたくないことを聞き出すというスキルは、世の中の幅広い職業に活かせるのではないでしょうか。
詐欺や横領、贈収賄、選挙違反などの事件で2000人以上の取調べを担当してきた元敏腕刑事であり、『元知能犯担当刑事が教える ウソや隠し事を暴く全技術』の著者・森透匡さんが、会社の部下や同僚、交際相手の隠し事を暴く方法を解説します。
※本記事は同書の一部を抜粋・編集したものです