新型コロナウイルスの感染拡大を背景とする緊急事態宣言が解除されてからひと月あまりが経ちます。感染拡大の防止と社会経済活動の両立が問われるなか、人々の間には感染予防と再拡大への備えを視野に入れた新たな日常生活を、慎重に受け入れる動きが少しずつ広がっています。

4月以降の緊急事態宣言下の生活では、外出の自粛や三密の回避など、多くの人にふだんとは異なるライフスタイルが求められ、自宅で過ごす時間が長くなったことや、慣れないリモートワーク生活の影響でコロナ以前には感じたことのない心身の疲労を感じた方もいたかもしれません。

今回は当研究所が行った調査から「心身の健康の維持・管理や体力づくりのために、継続的に行っていることがある」と答えた人の割合についての調査結果をご紹介します。

また、食生活や運動習慣に比べて、継続的な取り組みや生活習慣として意識される機会が少ない「睡眠時間」についてのデータをご紹介し、その重要性について考えてみたいと思います。


ミドル期の女性には、健康のための継続的な取り組みを始める人が多い

全国の男女2万人あまりを対象に行った当研究所の調査(※1)によると、「健康の維持・管理や体力づくりのために継続的に行っていることがある」との設問にあてはまると答えた人(「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」の合計)は、ミドル世代では4~5割前後を占めています(図1)。

性・年代別の傾向をみると、男性では50歳代までは半数前後の水準にとどまる一方、60代では6割近くを占めます。一方、女性では、若い世代では同世代の男性を大きく下回るものの、年代とともに少しずつ上昇して50代で男性とほぼ同じ半数近く、60代では男性をわずかに上回って6割を超えます。

これらの結果から、40~50代の女性には、同世代の男性に比べ健康のために継続的に行っていることがある人の割合が低い一方、60代以降に向けて、健康の維持・管理や体力づくりを継続的に行うための新たな行動を起こしたり、それまでの生活習慣やライフスタイルを見直す人が多いと考えられます。

新たな行動―食事の食べ方・取り方と運動習慣

では、「継続的に行っている健康の維持・管理や体力づくりのための実践」には、具体的にどのようなことが考えられるでしょうか。残念ながらこの調査では、その具体的な内容についてはたずねてはいませんが、健康的な生活習慣やライフスタイルを考えていく上で思いあたる方が多いのは、「食生活習慣」や「運動習慣」でしょう。

「食生活習慣」に関しては、栄養バランスに気をつけることとともに、以前この欄でお伝えしたような、食事の食べ方やとり方を意識的に見直してみることやその理由を考えてみること(※2)も重要な視点になると思われます。

一方、「運動習慣」に関しては、今回の新型コロナ問題による外出の自粛等によって、コロナ以前の生活では意識する機会のなかった「移動」にともなう運動量の減少を実感された方も多いと思われます。

先の調査では「健康の維持・管理や体力づくりのために、スマホのアプリなどインターネットのサービスを利用している」かについてもたずねており、40~50代のミドル世代の利用状況は男性が3割弱、女性が2割前後となっています。こうしたサービスを利用している方のなかには、ライフスタイルの変化にともなう自身の運動量の変化が可視化され、その結果に驚いた方もいたのではないでしょうか。