はじめに

そもそも、以前に大量閉店の決定に至った背景には、2019年度決算の悲惨な結果があります。ペッパーフードサービスの2019年度の売上高は675億円(前年同期比6.3%増)だった一方、本業の儲けを示す営業損益は7,100万円の赤字(前年同期は38億円の黒字)と、大幅に悪化していました。

そうした中で起こった新型コロナウイルスの感染拡大。売上高の著しい減少により、営業債務や借入金の返済などの資金繰りに懸念が生じているとして、2019年12月期有価証券報告書に「継続企業の前提に関する事項」の注記(GC注記)を記載しました。

また4月には、いきなり!ステーキ事業と比べて堅調な「ペッパーランチ」事業を新設分割により設立した新子会社「JP」に承継させると発表。ペッパーフードサービスの100%出資子会社で、代表者は一瀬邦夫氏が務めています。

さらには6月1日、主要仕入先で株主でもあるエスフーズの村上真之助社長からの20億円を借り入れを発表しました。

主力のいきなり!ステーキ事業の5月の既存店売上高は、前年同月比49.4%と苦しい状況が続いています。この苦境をどう乗り越えていくのか、ここから数ヵ月の動きが今後の命運を左右することになりそうです。

この記事の感想を教えてください。