はじめに
過剰流動性の目安「ワールドダラー」
こうした金融緩和の強化から過剰流動性の目安である「ワールドダラー」が増勢傾向にあります。ワールドダラーとは、米連邦準備理事会(FRB)が米国内に供給するマネタリーベースと、米国以外の各国中央銀行が外貨準備として保有する米ドルを合算したものです。
世界の金融市場にどれだけ米ドルが流通しているかを示すのがワールドダラーであり、過剰流動性の目安となっています。
マネー供給が増加傾向にある時期は株高傾向があるのは、よく知られた現象ですが、ワールドダラーの年間増加率とMSCI World(世界株指数)の年間騰落率とを比べると連動が見られます。
グロース株優位の展開へ
また、グロース株とバリュー株の相対パフォーマンスを比べると、ワールドダラーの増勢場面では相対株価指数が上昇、つまりグロース株がバリュー株を上回っている場合が多くあります。
新型コロナウイルスの影響による経済の縮小に対応するため超金融緩和の期間が長期化することが予想され、グロース株が優位な状況が続くのではないかと考えています。
<文:投資情報部 大塚俊一>