読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は野瀬大樹氏がお答えします。

借金返済について質問させてください。私は今年30歳になるのですが、現在クレジットカードのリボ払い残高が約40万円、銀行からのキャッシングが約50万円ある状況です。月々の手取りは24万3,000円なのですが、会社組織になっていないため、年金、健康保険は自分で支払っています。仕事の関係上、領収証を切れない飲み会も多く、出費が多い状況です。

現在はリボ払いを毎月5,000円、キャッシングを毎月1万円返済していますが、一向に減る気配はありません。貯金額は恥ずかしながらゼロです。過去の自分が愚かであったことは理解しておりますが、返済計画についてアドバイスをお願いいたします。
(匿名希望)


野瀬: お金の世界では「絶対にやってはいけないこと」が3つあります。

1つ目が「友達にお金を貸すこと」。関係がこじれてしまい、友情を失う可能性があるので、貸すぐらいであればあげたほうがよいと思います。

2つ目が「他人の借金の保証人になること」。これは昔から言われている使い古された教訓ですが、これによって人生を棒に振る人が多いのも事実です。

そして3つ目「リボ払いで買い物をすること」です。

リボ払いの病

カード会社がすすめる「リボ払い」のメリットは、返済計画が立てやすいという点“だけ”です。

たしかに毎月の返済金額が予測できるのは助かるのですが、問題は返済金額が定額であるゆえに、借金残高のひどさを認識しにくくなることです。

例えるなら、症状はまったく出ていないのに内臓に重い疾患があるような状態でしょうか。

これは日本の財政にも言える問題で、数字だけを眺めると日本の歴史上は、もっともひどい借金を抱えている状況であるのに、私たちから徴収される税金は、その借金残高にはとても見合わない低額なので、危機感が生じないという状況です。

結論から言いますと、そもそも「リボ払い」はしてはいけないのです。

ただし、今回はもう「リボ払いをしてしまった場合にどう解決するか」という問題ですので、こちらについて考えていきましょう。

リボ払いのサイクルからどう脱出するか?

リボ払いの金利は、ほとんどのケースにおいて年利15%です。質問者の方の場合、リボ払いの残高が40万円とありますので、元利一体のリボ払いと考えた場合、「40万×15% ÷ 12カ月=5,000円」が毎月の金利となるため、月5,000円の返済では金利を払っているだけで、理論上、借金は一切減りません。

今後、永遠に5,000円をクレジット会社に払い続けることになります。そして、これがクレジット会社の狙いです。

節約本などを読むと、クレジット会社に連絡して「一括返済」することが、リボ払いからの脱出方法であると説かれていますが、もちろんそれはその通りです。

ただし、質問者の方の場合、「貯金ゼロ」とありますので、この方法も難しいかなと思います。

とりあえず手を付けるべきなのは、キャッシングの返済額と、リボ払いの返済額の調整です。リボ払い返済が月5,000円では、まったく元本が減らないので、少なくともリボ払いの返済5,000円とキャッシングの返済の1万円の金額を入れ替えたほうがよいでしょう。

ご質問から察するに、キャッシングの返済額は、きっちり残高を返済するプランと推測できるからです。そうすると今の支払額のままでも5年でなんとかリボ払いを完済し、その後、キャッシングを1万5,000円返済すると、6年目にキャッシングも完済できることになります。

今のままだと、6年経っても「返済総額+残債=141万円」なのに対し、こちらのプランだと残債はなくなるので「返済総額=133万円」で収まることになります。毎月の返済バランスを少し変えるだけで、約8万円が浮く計算になります。

もちろん今のままだとリボ払いの利息は残ったままですので、今後も永遠に年間6万円の金利がかかり続けることになります。

リボ払いの返済金額変更は可能なのか

以前から不思議なのですが、この「リボ払いの金額変更」、私の知っている限りは各社ともネットでは対応してくれず、センターへの電話依頼が必要になります。

とにかく電話というかたちで、ひと手間めんどうです。

ただ、この方法は今の収入・支出のままで借金サイクルから生還できる、非常に効果が高い方法ですので、ぜひ試してみてください。

しかし、なによりも大切なのは「リボ払いをしない」という点は、忘れないでくださいね。

そのほかの家計改善方法

普段のお金の使い方について、ご質問からうかがい知ることはできませんが、質問者の方は会社員ではないとお聞きしていますので、フリーランスのようなかたちとして働いているのだと推測されます。

当然、売上と経費を計算し、確定申告をする必要があるのですが、本来ならば経費としてつけられる費用をつけていないということはないでしょうか。

仕事に向かう交通費、打ち合わせに使った飲食代、パソコンを使う仕事の場合はパソコンはもとより、その通信費など。こういった経費も漏れをしっかり把握し、経費として確定申告に反映させることで、所得税はもとより住民税、さらには健康保険料も減らすことができます。

もちろん本来経費にしてはならないような出費を経費にすことはダメですが、フリーランスの場合、この「経費のつけ漏れ」は意外に多いので、ぜひ一度、領収書とにらめっこしてみてください。