はじめに
子供が保育園から小学校にあがるときに、共働き家庭の前に立ちはだかる「小1の壁」。手厚いサポートと充実のプログラムで、その障壁を一緒に乗り越えてくれる民間学童が都市部で人気だそうです。
「来たる小学1年生に向けて、必ず我が子を民間学童に入れたい!」と多くの親が申込み、未就学児の時点で、すでにキャンセル待ちになっているところもあるのだとか。
年少からプレ登録で先手を打つ
子供が小学生になると、それまでの保育園生活とは大きく異なり、親にとってさまざまな障壁が出てきます。なかでも子供が放課後になにをして過ごすのかは、働く親にとって頭の痛い問題です。
そんななか働く親たちから昨今人気を集めているのが、企業が運営する民間学童です。
公立学童より遅くまで預かってくれるのはもちろん、宿題のチェック、夕飯の提供、学校~学童~自宅間の送迎など、手厚いサポートで働く親の不安を払拭してくれます。
厚生労働省の「平成28年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」によると、株式会社が運営する民間学童は平成27年から平成28年の1年間で4割以上増えています。
都内や神奈川県内に23ヵ所の民間学童を展開する東急グループの『キッズベースキャンプ』の広報担当・三沢さんは、来年度新1年生の申込み状況について次のように話します。
「豊洲、武蔵小杉、日吉など、5店舗でキャンセル待ちの状況です。その他の店舗も空き状況は若干名というところが多く、早めの申込みを推奨しております」
東急グループでは、小学校入学時の利用枠を確保できる未就学児(3~5歳)対象の事前登録制度『プレキッズクラブ』を設置しているそうですが、こちらも人気で、2016年度の1年生は85%がプレキッズクラブからの入会者なのだとか。こちらの申込みも年々増え、今年度はすでに2店舗の年少クラスがキャンセル待ちになっているそうです。
プレ登録せずに入学時から入れる可能性はほんのわずか。確実に入会するためには、年少から先手を打つ必要がありそうです。
充実のプログラム、親元を離れるサマーキャンプが人気
なぜ民間学童がここまでの人気を集めているのでしょうか。
その理由のひとつが「宿題を見てあげる時間がない」「習い事に通わせてあげられない」といった、働く親が抱える悩みに、充実したプログラムで応えてくれることです。
民間学童には、有名進学教室SAPIXの通信教材を使用して学習支援に力を入れているところもあれば、運動、プログラミング、絵画など多彩なプログラムを取り入れているところも。また、スクール内の会話は英語のみで、ネイティブの英語教師が指導してくれる学童も人気があります。
キッズベースキャンプでも、運動神経の発達を促すトレーニングプログラムや野外活動、環境教育、農業、アート、クッキングなど、さまざまなイベントを企画しているそうです。
「22時までの預かりや学校までのお迎えなどのサービスに加えて、こうした社会を知るイベントを企画している点が入会の決め手となっているようです」と三沢さん。
なかでも人気なのは、夏休みに2泊3日でいくサマーキャンプだそうで、こうしたプログラムを通して多様な体験をして欲しいと、週に1回、または夏休みだけ利用する専業主婦家庭も少なくないのだとか。
「預かり+習い事」と考えるとお得?
そこまでプログラムが充実していると気になるのが利用料金です。
「キッズベースキャンプ」の場合、週5日19時までの預かりで、維持管理費を含めて月4~5万円ほど(入園金・オプション料金は別途)だそうです。
※各店舗で定めている指定小学校への送迎、基本イベントの参加費、おやつ代なども含む
公立学童が月5千円前後で済むのに比べると割高に感じますが、子供が過ごす時間の長さや、宿題のサポート、多彩なプログラムが楽しめることを考慮したら習い事の代わりと思って検討するのもいいかもしれません。