はじめに
市街地でもクイックで軽快な走り
好印象を持ったままエンジンスタートします。1.2Lの3気筒エンジンがスタートしました。借り出したときのバッテリー充電量の問題でしょうか、発電専用のエンジンが回っているのですが、それほどけたたましくはありません。同じシステムを搭載するノートe-POWERが少し賑やかだったことを考えると、少し改善されたのでしょうが、気になるほどではありません。少しするとエンジンは完全に停止モードでした。
ツートーンインテリアエディションのインパネ。質感は平均レベル
さっそく走り出します。35km/h以下、あるいは信号待ちなどでは極力エンジンを回さないようにしていると聞きましたが、確かに低速ではエンジンがその存在を出来る限り消そうとします。ここから少し速度を上げ、50km/hぐらいからでしょうか、エンジンが一気に充電のために忙しく回るようになります。当然、これぐらいの速度になってくると走行音も大きくなりますからエンジンが回っていても気になりません。ごくごく普通のガソリン車的な音のレベルです。
ところが走行フィールはまったく別物です。すでに述べたとおり、ハイブリッドと言っても最大の特徴はタイヤを回すのはモーターだけということです。つまり加速感や減速の感じはEVなのです。使用されているモーターはノートe-POWERの109ps(80kW)より強力で129PS(95kW)であり、いざとなれば交通の流れもリードできるほどの加速感を見せます。
あのリーフやノートe-POWERでも知られる「ワンペダル」というモードもあり、独特の走行感覚のドライブが始まりました。市街地では信号待ちからの加速も力強く、そしてシームレスに加速していくのでとてもスムーズな走りです。
ドライバーズシートのホールド性も良く、疲労感は少なそう
減速時はと言えば回生ブレーキを強めに設定していますからアクセル操作のみでも十分な減速感を得られ、最終的には停止するまでワンペダルでドライブできます。現実としては信号待ちで前のクルマが迫ってくるとブレーキを踏んでしまいますが、慣れてしまうとワンペダルだけで、完全停止も可能です。
“どうも慣れない”と言う人もいるのですが、バッテリーの充電量を高めに維持するには、このワンペダルはけっこう効果があります。少しばかり前につんのめるような感覚はありますが、慣れてくると徐々に楽しくなります。
ワンペダルの操作感を生かしながら街角のコーナーなどクリアする。セッティングをスポーティにしたという少し硬めのリア・サスペンションもいい味を出していますから、実に軽快です。レスポンスのいいコンパクトSUVの元気な走りは、踏ん張りのきいた感覚があって、安心して市街地を駆け抜ける事が出来るのです。