はじめに

人生のリセットを考えて

物理的な面だけではなく、就職後も、先輩や上司など、男性たちの間でうまく立ち回って、少しずついいポジションを得てきました。

「素直にがんばっていればとりあえず目をかけてもらえる。数少ない女性の同僚や先輩たちからは冷たくされましたけど、男社会でオンナを武器にして何がいけないんだろうと思っていました」

要領よく、かわいく振る舞いながら結果、おいしいところはもっていく。そういう術を彼女は身につけていたのでしょう。ただ、そういう時期は長くないと最初から思っていたそう。

「30代に入ってからは、力のある上司に取り入ったりもしてきました。ただ、最近、気づいてしまったんです。男社会に少し復讐してやりたい気持ちもあったからオンナとしての自分を前面に出してきたけど、結局、それもまた男社会に取り込まれているだけなのかもしれないって。オンナが組織で生き抜いていくのも大変なんだなと実感しています」

そしてもうひとつ、気づいたのは「恋愛ができないこと」でした。男性への根本的な不信感が強くて、「恋愛って何?」と考えこんでしまい、相手と心を通い合わせることができなくなっているようです。しかも彼女には女友だちもあまりいません。

「コロナの件で、私も週の半分くらいは在宅で仕事をしていたんですが、生まれて初めてなんだか寂しいなと思いました。経済的に苦しくなった人もいて、今、家賃は自分で払っています。本当は男性と利害関係なく話したり笑ったりできたら楽しいだろうな、と思うようになって……」

利害関係でしか人間関係を作れなかった人は、その利害関係ゆえにつまずくのかもしれません。でもマリカさんの人生はまだまだこれから。ここで心機一転、自分を変えることはできるはずです。

「実は今、転職しようかなと思っているんです。こんな時期にとは思うけど、環境を変えて出直したい気持ちが強くなっています」

人生、リセットしてみるのも悪くないのではないでしょうか。