はじめに

長雨の後は猛烈に暑い日が続いています。これだけ暑いなかでマスクをしていると外出も億劫になってきます。だからというわけではありませんが、4~6月期の決算は予想された通り芳しいものではありませんでした。株式市場は“活況”ではないのに株価指数だけは高いという展開となっています。


相場の質が変わった

「株価が高い」と個別の銘柄を示さずに話をしたときは通常「日経平均株価」などの「株価指数」が高いことを言っています。そして「日経平均」の場合は東京証券取引所で取引可能な4000銘柄のうち、たった225銘柄の株価から算出されているのです。詳しい説明は省きますが、株価指数というのは個々の株価を集めて指数化したものですから、指数に対して影響が大きい銘柄の動きに左右されてしまうことも多いのです。

日経平均で言えば、2020年3月に大きく下落した後、日経平均株価も上昇し、6月に再び23,000円を超えました。その後下落となりましたが、8月に入ってからまた23,000円を超えてきたのです。日経平均としては前回の高値を超えてきたのですが、個々の銘柄の動きを見ると、6月の高値を超えていない銘柄も多いのです。

つまり、6月に日経平均が23,000円を超えた時と、8月に日経平均が23,000円を超えた時では「相場が違う」ということなのです。そして、この相場の違いをしっかりと見極めずに、「日経平均が23,000円を超えたから売っておこう」と単純に考えると安いところを売ってしまったり、「日経平均が23,000円を超えたのに株価が下がっているものを買っておこう」と考えると高いところを買ってしまったりもするのです。

米国市場も同様で、これまで相場をけん引してきたアップルやアマゾン・ドット・コム、などの上値が重くなっており、一方でボーイングなどの底堅さも見られるようになってきました。ナスダック指数は安いのですが、ダウ平均は高いというようなことが起こるようになっています。

これまでは米国ではいわゆる「グロース株」とか「ハイテク銘柄」などといわれるような「今をときめく株」が買われて、ボーイングやキャタピラーなどの景気に左右されやすい銘柄が売られるということでした。日本市場でも銀行株や商社株などが実力以下まで、つまり割安感が出ているところまで売られていました。一方で、ハイテク銘柄やバイオ関連銘柄など実力以上に買われる銘柄も多くなっていたのです。

日本市場では3月の暴落から6月まで、米国市場でも同様に3月の暴落から7月までは「買われているから買う」というような買い方で利益を簡単に出すことができましたが、今は単純に買われているから買うということでもないことがわかりました。つまり、相場が大きく変化したと考えられるのです。