はじめに
まるでクルマに知能が宿ったような走り
今回前述したテストコース内には特別に3D地図データを組み込み、ETCゲートをイメージしたポイントを設定しました。
ここに接近するとメーター内に「料金所」という表示が出ると同時にETCゲート通過時の推奨速度である20km/hまでスムーズに減速し通過、その後は設定していた速度まで再加速します。
またカーブ前速度制御でも3D地図が活躍します。ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の速度を120km/hに設定しカーブに接近すると進行方向にカーブがあることを表示、その後はカーブにさしかかる手前で減速を開始します。正直自分のスキルでは「いやこれはヤバイだろ」と感じる中でもアイサイトXは上手く車速と操舵をコントロールしてくれます。
この他にもメルセデス・ベンツなどでは搭載済みのアクティブレーンチェンジアシストも後方からの車両の接近を高精度で検知し、無理な場合はシステムは作動しません。逆に作動した際の動きも非常に滑らかであったことにも驚きました。
レヴォーグはドライバーを“見ている”
「渋滞ハンズオフドライブ」は他社でも採用されていますが、これまでは渋滞時に一度停止すると再発進時にはスイッチを押すか、アクセルを軽く踏み込む必要がありました。しかしアイサイトXはそれらを行わなくても全て自動で行ってくれます。
渋滞時のハンズオフ走行は非常に動きがスムーズです
そして一番今回驚いたのが搭載される「DMS(ドライバーモニタリングシステム)」との連携です。このシステム自体はフォレスターから搭載された機能ですが、今回は連携を行ったことが大きな進化です。
スバルのエンジニアから指示をもらい、停車時に外を見る、つまり「よそ見」をしてみました。するとシステム側が顔認識を行い、警告音がなり、発進しないのです。
コロナ禍で行われたテストのため、万が一を想定して今回はテスト中のみマスクを外しましたが、マスクに関しても紙製のものならばほぼ大丈夫とのこと。筆者は当日サングラスを装着して走っていましたが、これも問題無く識別してくれました。
最後に「ドライバー異常時対応システム」も貴重な体験でした。これは万が一の急病の際にドライバーが下を向きっぱなしになった際、DMSが認識し警報を発します。しかしそれでも反応が無い場合、異常があったと判断、自動的に車速を落として同時にハザードランプとホーンを断続的に鳴らしながら停止します。
考えられているな、と感じたのはカーブの途中で停車すると後続車からの追突の可能性があることもあり、見通しの良い直線区間まで移動して停車させるという点です。