はじめに

最近の株式市場ではゲーム株に注目が集まっています。ゲーム株に注目が集まっている理由は、業績が好調なゲーム会社が多いことです。

ゲーム各社が直近発表した第1四半期の営業利益の伸びを見ると、任天堂(7974・東証1部)が前年同期比5.3倍、スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684・東証1部)が同3.4倍、コーエーテクモホールディングス(3635・東証1部)が同4.6倍、カプコン(9697・東証1部)が同39%増となり、バンダイナムコホールディングス(7832・東証1部)、コナミホールディングス(9766・東証1部)を含めたゲーム主要6社のうち4社が大幅増益になりました。

好調な業績を背景に株価が上昇しているゲーム株が増えています。そこで今回は業績が好調なゲーム会社とゲーム株を紹介します。


「巣ごもり消費」が追い風。「あつ森」は世界的な人気に

ゲーム会社の業績が好調な理由は「巣ごもり消費」が増えているためです。新型コロナウイルス感染症を防ぐために外出を抑制する「巣ごもり生活」が増え、自宅のインターネットで買い物を行う「巣ごもり消費」では、自宅での娯楽を目的とする家庭用ゲームソフトの購入が増加しています。

「巣ごもり消費」の恩恵を受けているゲーム会社の代表的な例が任天堂です。任天堂が今年3月に発売したニンテンドースイッチ向けゲームソフト「あつまれ どうぶつの森(「あつ森」)」は、巣ごもり生活を過ごす世界中の人々の心を捉え、第1四半期(4~6月)の3か月だけで1千万本以上(1,063万本。累計販売本数2,240万本)を販売するヒット作品になりました。

ダウンロード販売増加でゲーム会社の利益率上昇

「巣ごもり消費」では単にゲームソフトの販売本数が増えるだけでなく、「ダウンロード販売」というゲームソフトの販売方法が変化していることもゲーム会社の業績を押し上げています。

最近では「ニンテンドースイッチ」や「プレイステーション4」などの家庭用ビデオゲーム機からインターネット経由でゲームソフトやゲームの追加コンテンツをダウンロードで購入するユーザーが増加しています。ダウンロード販売はゲームソフトを梱包するパッケージや小売店への販売手数料が不要になることから、従来の販売方法と比較してゲーム会社にとっては利益率が高い販売方法です。

ダウンロードでゲームソフトを購入する利便性を知ったユーザーが過去に開発された旧作ゲームを購入する傾向があることもゲーム会社の利益率を高めていると考えられます。任天堂の場合では、ダウンロード販売を示すデジタル売上高が売上高全体対する比率(デジタル売上高比率)が前第1四半期の38%から今第1四半期は56%へ高まり、営業利益率は前第1四半期の16%から今第1四半期は40%へ大幅に上昇しました。

新型コロナウイルスと共存する「ウィズコロナ社会」では「巣ごもり消費」が定着し、ゲームソフトのダウンロード販売が増えることで、ゲーム会社の更なる業績拡大が期待出来そうです。

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