はじめに

いち早く観光再開に舵を切ったギリシャへの渡航

7月末と8月中旬の2回、フランスからギリシャへ移動し、バカンスを送った日本人夫婦にその時の様子を聞きました。パリからギリシャの首都アテネまでは3時間のフライト。エールフランス搭乗にはサージカルマスク着用が義務付けられており、フライトの長さに十分な枚数のサージカルマスクを準備することや、ティッシュペーパーとアルコールジェル(100ml以下)の携帯も事前に乗客に知らされます。

ギリシャ入国の際、パスポートチェックに加えて72時間以内のPCR検査結果(陰性)の提示が必要なので、夫婦はパリで検査を済ませていました。7月のエールフランス機内は空いていたが、8月は満席だったそうです。パリ発アテネ行きの直行便は毎日7便以上あるので、いかにギリシャでバカンスを過ごすフランス人が多いかがわかります。

夫妻はその時の様子を「7月の滞在は、個人的に貸し切った船で島を転々とするクルージングの旅だった。ホテルや人の多い場所に立ち入ることはなかったので、感染の心配は個人的にはしていない。通常賑やかなバカンス地がどこも閑散としており、現地の観光業を思うと気の毒になった。外国人を敬遠するムードは感じなかった」と語ります。

8月14日、フランス連帯・保健省、保健総局長ジェローム・サロモン氏は、ラジオ局フランス・アンテールに出演し、「現在フランスでは、1週間70万件のPCR検査が可能になった。どこで、どういった経緯で、感染が拡大傾向にあるのかをつぶさに把握することができるので、対策は可能だ」と語りました。

安心安全な移動のために情報を十分に収集し、守るべき目安を守って行動する。無料の検査が定着し、そのデータをもとに状況の把握が容易になったフランスでは、個人が移動を判断し実行することは、明確なルールの下で行われているようです。

Keiko Sumino-Leblanc / 加藤亨延

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