はじめに

その巨体の走り心地は

さすがにギュンギュンと走る活発さというか、スポーティな走りではありません。しかしその走りはディフェンダーにとってあまり必要は無いと思います。低い回転でもしっかりとトルクを発揮して、低速でガレ場やオフロードを静々と走り抜ける姿こそ、ディフェンダーの本筋ですから、不足はほとんど感じません。いえ、それどころかワインディングではこの巨体を、そこそこのペースで、安定感もって駆け抜けることが出来ますから日常使いで不満はほとんど感じないと思います。

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オフロードの走破性能はかなり高いレベルです。

試乗ルートの途中に設定されたオフロードステージでは本来の実力を発揮。アップダウンが激しく、石がゴロゴロと転がり、そして滑りやすい路面が混在したルートを涼しい顔して走り抜けるのです。この手の4WDは“いかにゆっくり、確実にトラクションを得ながら確実に走り抜けるか”という性能が重要なんです。その点について、かなりレベルの高い性能でした。

一般路に行けばもうレンジローバー並のゆったり感を、標準装備されているしなやかなセッティングの電子制御式エアサスペンションが実現してくれています。市街地から郊外、そしてワインディングと快適なドライブが続きます。室内には穏やかな空気が漂います。インテリアは実の現代的で、いい雰囲気を醸し出しています。もちろんレンジローバーほどの高級感というかゴージャス感はありませんが、ディフェンダーのDNAから言えば、そこまでは不要です。むしろツールっぽさのあるインテリアはこのクルマの雰囲気を壊すことがなく、似合っています。それに細部の作り込みがいいので、十分にクオリティの高さは伝わります。

走り出して2時間。すっかり巨体が手に内にあることに気が付きます。悪くない。価格やデザイン、走行性能など、そのバランスの良さを考えるとランドローバーのベスト、いえ、ベストSUVのように思えてきました。そんな満足感を得ながら試乗を終えようと駐車場で取り回していると、思いの外、小回りが効かない。降りるとき、以外にシート高が高く、ちょっぴり飛び降りるようなりました。駐車枠にはギリギリです。う~ん、499万円のさらにリーズナブルなショートボディの90、早く来ないかぁ、とちょっぴり感じたのも事実でした。