はじめに

2条件の関係性はとても強い

さらに、上でみた2つの条件は強くリンクしていることが相関分析(2つの選択肢の選択割合高低の関連度合いを測定)でわかりました。

つまり、結婚を決める条件に「親が同意してくれること」を選択した男女の多い地方ほど、「自分の親と同居してくれること」を選んだ男女が多い、という結果です(相関係数0.68-強い相関)。

一見、2条件は全国平均でみると26%と4%の選択肢ですので、選択する男女の割合に大きな差がある条件に見えるのですが、背景にある価値観傾向としては同じ線上にある条件同士、ということができます。そこで、この2条件の選択状況から、その地方の結婚観への親の影響力度の高低を一目でわかるように可視化したグラフが次のグラフになります。

ダイバーシティの時代ゆえの人口移動も未婚化の原因の1つ

親の結婚への影響力の大小を含め、2人の結婚の形に正解はありません。結局、価値観が合う男女同士が結婚すればそれでよい話です。

ですので、上記の結果からどのエリアがよく、どのエリアが悪いという話は直接的にはできません。

ただ、コロナの影響で若干、人口移動の流れに変化はあるものの、2019年において全国39道府県で引っ越し(転入-転出)によって減少してしまった人口の9割以上が、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)での人口増加となっています。

しかも、その引っ越しによって増加した人口のうち、9割の年齢が20代という子世代であることを、人口動態の研究者として指摘しておきたいと思います。

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