はじめに

実際に乗ってみて

収まりのいいシートに腰を下ろし、ハイブリッドで走り出しました。ヤリスより車重が重くなっていることもありますが、何ともしっとりとした味わいです。このクラスのSUVはどちらかと言えばシティーユースに軸足を置いていますから、走りのコンセプトも都市型となり、このしっとりとした乗り心地はピッタリです。

もちろん軽快さもありスポーティな走りも何とかこなせますが、ヤリスほどの軽快さではありません。どちらかと言えばアウトレットでゆったりと買い物を楽しみ、街角のカフェでお友達と食事に出掛けたりという使い方こそ似合いそうです。

次に試したのが1.5Lガソリン3気筒エンジンを搭載したガソリン車モデルです。こちらは軽さを生かした軽快な走りが魅力でした。もし郊外型の交通モードを走ることが多いという人ならば、ハイブリッドよりも車両価格が50万円ほどリーズナブルなガソリンモデルを狙ってもいいかもしれません。今回は燃費こそ正確に計測できなかったのですが、WLTCモードの燃費値は17.4km~20.2km/Lです。一方のハイブリッドモデルは26.0km~30.8km/Lとさすがに優秀な燃費です。

ただ、ハイブリッドのXが228万4,000円に対してガソリン車のX“Bパッケージ”が179万8,000円です。この車両価格の差を考えると郊外型がほとんどという使い方の人にはガソリン車も狙い目でしょう。

そんなことを考えながら今度はハイブリッドの4WDモデルで乗り出しました。このモデルには「スノー」と「トレイル」モードと言う2つのモードをセレクトできる電気式の4WDシステムが与えられています。後輪をモーターで駆動する「E-Four」と呼ばれるシステムですが、こちらは本当にスムーズに電子制御が働いて、快適にドライブできます。

4WDにはオフロードを走る際のモードを選ぶダイヤルが装備されます(写真はハイブリッド)

一方、ガソリン車にも4WDは用意されますが、こちらはガソリン車には「マルチテレインセレクト」と言って路面状況に応じた3つの走行モードをセレクトできる4WDシステムを設定していますから、よりマニアックかもしれません。滑りやすい雪道やキャンプ地のぬかるみなどでも活躍する4WDですから、アウトドア派には“ガソリン+4WD”で202万9,000円という選択はコストパフォーマンスがいいと思います。

さてコストパフォーマンスで言えば最大のライバルである日産キックスを始めとした強敵がひしめいていますが、ハイブリッドでも228万4,000円(FF車)からということを考えると、ヤリスクロスは価格面でかなり有利に戦っていけそうです。

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